〈さて、そろそろミュンヘンに日帰りで行ってきます〉。2月15日午前0時過ぎ、ツイッターでこう呟いたのは、河野太郎防衛相(57)。各国の外相、防衛相が集う安保会議に参加するための訪独だが、番記者を引き連れた茂木敏充外相に比べ、河野氏は少し寂し気。防衛省担当記者は、「番記者は誰も同行しなかった。この会議は例年、防衛省からは副大臣が行く程度だから」と呆れ気味。外相時代、歴代大臣が足を運ばなかった小国まで訪問する様を小欄は「スタンプラリー」と報じたが、防衛相になっても変わらないようだ。

 そんな河野氏だが、最近、所属する麻生派内で株を上げつつあるという。昨秋以来、定期的に参院麻生派メンバーと会食を重ねているのだ。ツイッターでも「飲めねえ家系なんだ」とつぶやく下戸の河野氏だが、一月末にも山東昭子参院議長をはじめとする面々とソフトリンクで親睦を深めた。

 行革相、外相、防衛相と閣僚経験を積み上げるが「仲間のために汗をかかない」(派閥重鎮)と言われた河野氏。変身のきっかけは麻生太郎副総理の一言だった。昨秋、河野氏の政治資金パーティーで麻生氏は「選挙も強い。発信力もある。政治家として今後、伸びるのに何が欠けているかといえば、一般的な常識だ」と皮肉を飛ばした。「会場は笑いに包まれたが、河野氏は大勢の面前で図星を突かれ、気持ちを入れ替えたのでは」(政治部記者)。

飲み会”と“ツイッター”で総理になれるか

 自民党総裁選への出馬をめぐっても名が上がる河野氏。世論調査トップ石破茂元幹事長に対し、安倍晋三首相が後継に据えたい岸田文雄政調会長との一騎打ちを防ぐための「当て馬」と見られているが、河野氏自身、意欲を隠さない。

 飲み会を重ねることで身内を固め、外に向けた発信ではツイッターを活用。自身に関する呟きを探して突っ込んだり、似顔絵に「もっとがんばりましょう」と返したり、恋愛相談に乗ることで人気を博している。

 だが一方で、自らに批判的なコメントを見つけると、容赦なくブロックすることもツイッター界の常識だ。

 最近は感染症拡大を防ぐ狙いから、新型肺炎の情報を一日に何度も発信するが、「反河野」的言辞でブロックされた者は、そうした貴重な情報に触れられない。象徴的だったのが、河野氏に批判的なことを書いた沖縄タイムスの記者がブロックされた一件。顛末を書いた2月3日の同紙コラムが話題に。〈公費で集めた情報や国の行方に関わる政策決定を書いている。『俺が嫌いな人間には教えない』は、全体に奉仕する公人としてとても許されない〉。ツイッター諸刃の剣。器の小ささが拡散するのもまた早い。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年2月27日号)

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