新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国・武漢市では事実上の封鎖措置が取られている。また、中国全土で国外への団体旅行が禁止されたほか、各地で人の移動を制限したり、学校を閉鎖したりしている。大勢の人が集まる各種イベントはもちろん中止であり、数人が集まって食事することすら禁止となった都市もある。

 中国は新型コロナウイルスの抑え込みに向けて厳しい措置を次々に打ち出しているが、日本では予定どおり行われるイベントも多く、五輪開催を控えている割に危機感が足りないようにも見える。中国メディアの環球網は22日、なぜ日本は「中国の新型肺炎への対応や封じ込め策を見習おうとしないのか」と問いかける記事を掲載した。

 記事は、新型コロナウイルスの感染が日増しに拡大している日本社会では緊張感が高まっていると伝え、日本人の批判の矛先は日本政府へと向かっていると指摘。日本政府は国内で新型コロナウイルスの感染が広まってきても、当初は「大型イベントを中止する必要はない」など楽観的な態度を示していたと指摘し、必要な措置を思い切って取れなかった日本政府は批判に晒されていると論じた。

 続けて、日本国内では新型コロナウイルスを一刻も早く封じ込めるために、中国が取った対策を参考とすべきという論調が存在すると指摘する一方、新型コロナウイルスへの対策は「蔓延の程度と国情によって大きな違いが出るのが現実」だと指摘し、中国と政治体制が大きく異なる日本では、全国一律で強力な措置を発動するのが難しいことを指摘した。

 さらに記事は、多くの中国人は日本の防災や災害救助には健全なシステムが存在すると認識していたと指摘する一方、それはあくまでも地震や津波などの災害に対するもので、新型コロナウイルスなどの伝染病においてはまだ健全なシステムが確立されていないことが明らかになったと強調。

 事実、日本には伝染病患者用のベッドが豊富にあるわけではなく、軽症の患者や感染が疑わしい人のすべてを収容していたら、すぐにベットがいっぱいになってしまうだろうと主張する一方で、日本では戦後長らく深刻な伝染病が発生していなかったため、致し方ない部分もあると指摘。つまり、日本と中国では国情も異なれば、政治体制も異なるため、中国の新型肺炎への対応や封じ込め策を見習うことはできないのだと伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本はなぜ「我が国の新型肺炎の封じ込め策を見習わないのか」=中国