舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」が2月20日(木)にTOKYO DOME CITY HALLにて開幕した。
2017年11月に上演された「KING OF PRISM -Over the Sunshine!-」の続編となる本作は、第一幕では「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」から「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」の間に開催された「ストリートデュオ大会」、第二幕では「PRISM.1」の様子が描かれている。観客による“応援上演”も話題の舞台版。第2弾では、どのような“きらめき”を見られるのか?
初日に先立って行われたゲネプロと囲み会見の様子をお届けする。
取材・文・撮影(囲み) / 高城つかさ
◆僕たちとお客様でステージをつくっていけたら
囲み会見には、主演の橋本祥平、横井翔二郎、長江崚行、村上喜紀、五十嵐 雅、星元裕月、廣野凌大、新キャストの横田龍儀、アニメ&劇場版、舞台版ともに脚本を担当している青葉 譲が登壇。意気込みや注目して観て欲しい点などを語った。
橋本祥平(一条シン 役) 2年ぶりの“キンプリ”ということで、キャスト・スタッフ一同、今日という日を心から待ちわびておりました。去年の12月にライブを開催する予定でしたが天候の影響で中止になってしまい、そのぶんのエネルギーがブワーっと集まっているんじゃないかな、と思っています。今年27歳になるのですが、2年前の“きらめき”を思い出すのが大変で……。この2年間いろんな作品と出会ったことで自分なりに成長したと感じているのですが、一方で“フレッシュ感を失っているんじゃないか”と見つめ直せた、いい機会になりました。精一杯、皆さんと一緒に楽しめたらと思います。
横田龍儀(如月ルヰ 役) 今回初参加なのですが、最初にお話をいただいたときは(アニメで)蒼井翔太さんが声優をやっていたのもあり“(僕は)地声が低いけれど大丈夫かな”という不安もあってプレッシャーが強かったのですが、素敵なカンパニーで、新しく入った僕もすぐに受け入れてくれるあたたかいメンバーが支えてくれたおかげで今日を迎えられたので、今となっては初日を迎えるのが楽しみです。
横井翔二郎(太刀花ユキノジョウ 役) まず各々がビジュアル撮影をしたのですが、資料用の、ただの立ち絵でも、2年前にこの作品を愛しただけあって、心からキャラクターを理解し、愛していることが見えたのが、僕は一番嬉しかったです。久しぶりに集まっても変わらない絆があり、新しいキャストも入り、盛りだくさんのショーもあり……。日常、そして心の飛躍をお客様と一緒に完成させられたらと思います。
長江崚行(香賀美タイガ 役) この2年間でみんながいろんな現場でいろんなことを学んで吸収したことで、舞台上での余裕が生まれたり、2年前ではお互いに目が合わなかった部分も合ってきたりと、成長したんだなと思いました。映画(『KING OF PRISM ALL STARS-プリズムショー☆ベストテン-』)も公開されましたし、『KING OF PRISM』という作品がアニメや映画、舞台など飛躍して、ひとつの方向に進んでいることが嬉しいです。作品の一端を担う舞台キャストとして、作品のパワーを皆さんに伝えられるよう頑張ります!
村上喜紀(十王院カケル 役) 成長したものを座組みでぶつけ合って作品をつくり上げていく作業が楽しくて。先輩・後輩関係なく、仲間として向き合ってくれるこの座組みが本当に大好きです。2年間たくさんの経験をさせていただいて、魂を劇場に持ってきたんですけど、お客様も熱を上げて……成長という言い方があっているかわからないですが、すごいエネルギーを持ってきてくださると思うので、その圧倒的なエネルギーに負けないよう昇華させて、“プリズムのきらめき”をお客様に届けられるよう頑張ります。頑張って飛びたいと思います!
五十嵐 雅(鷹梁ミナト 役) 久しぶりに会ってもすぐに昔の時間に戻るんです。それくらい“きらめきの共通点”が多くて、すぐつながれるのが僕らの財産だな、と。リアルに“プリズムショー”のライブを体感できたり、生の声を含め、舞台ならではのつながっている感覚を味わえたりするのは“ブタキン”ならではだと思います。ぜひご来場ください!
星元裕月(西園寺レオ 役) 新しくなったものや受け継がれたもの、みんなが持ってきたものを、稽古場で感じることが多かったです。作品への愛、キャスト同士への愛をはじめ、この座組みは“みんなでつくっている”という一体感が強くて。キャストだけではなく、スタッフさんも一丸となって“プリズムのきらめき”をつくろうという姿勢が強く出ているのって、当たり前のようでそうではないと思うんです。なので、お客様には両手を広げて、プリズムのきらめきを受け取っていただけたら嬉しいです。
廣野凌大(涼野ユウ 役) 普通の作品だと、まず(作品を)好きになるところから始めて、実際にキャラクターや作品を好きになって演じるのですが、今回は好きを通り越して“愛”に変わっちゃって……(笑)。2年前ももちろん愛していたのですが、愛の伝え方が成長したと思います。キャスト・スタッフ一同、愛の伝え方は様々だけれど、素敵な方向に向いています。本番でもエンタメの形を見せたいです。愛が溢れすぎて伝えきれないのですが、ぜひその愛をハグしにきてください!
続けて、脚本を書いた経緯について青葉 譲が「(初演が)終わってからの飲み会で、みんなが僕のことをちやほやしてくれたんですよ。あのときのちやほやされた感じが忘れられなくて、またちやほやされたくて(書きました)……」と笑いを交えながら説明。それを受け、横井が「胴上げしたらいいんですかね!?」と問いかける場面もあり、皆が口を揃えていたスタッフを含めたカンパニーの仲の良さも伺えた。
「脚本の自由度が高いということは、僕とキャストとの戦いでもある、ということ。どんな戦いを見せてくれるんだろうと思っていたのですが、僕が負けるくらい本当に素晴らしかったです。本番からはキャストの戦いになるので、舞台で存分に戦って欲しいと思います」とキャストへ向けてエールを送った。
話題となった“お風呂シーン”がどのくらい増えたか、という質問に対しては橋本から「8割増です! 初演で僕が役者魂を見せて、ほぼまっぱ(裸)になるシーンがあったのですが、それを見てこの子たち(他のキャスト)の火がついてしまい……(笑)。稽古場ではハプニングだらけでした!」と明かされた。
開幕を記念したくす玉割りが行われたあと橋本が「僕らが昨日までつくってきた段階ではまだ7割で、お客様が入って初めて10割になる作品だと思っています。今回はお客様の声が特に重要で、助けになるシーンもあります。僕たちとお客様でステージをつくっていけたらと思うので、最後まで一緒に面白い作品をつくってくださると幸いです。よろしくお願いします!」と締め、囲み会見は終了した。
◆橋本祥平の笑顔は、仲間だけでなく、観客の背中を押す力を持っている
ここから、ゲネプロの様子をお届けする。
第一幕は、舞台のために書き下ろされたオリジナル新作ストーリー。プリズムショー協会が主催するストリートデュオ大会「KIDUNA climax」の開催が決定し、ペア探しをする場面から物語は始まる。
スクール関係なくペアを組めるということで、エーデルローズの一条シン(橋本)とシュワルツローズの如月ルヰ(横田)をはじめ、それぞれが相手を見つけていく。一方で、香賀美タイガ(長江崚行)は仁科カヅキ(大見拓土)を誘おうとするが、カヅキが大和アレクサンダー(spi)をパートナーに選ぶところを目撃してしまう。落ち込むタイガは誰とペアを組むのか……?
デュオ大会「KIDUNA climax」のテーマはストリート系。それぞれの魅力が伝わる歌やダンスに胸を打たれる。どのように準備をし、どのような気持ちで臨むのか……絆を深めていく過程も見届けられるため、それぞれに感情移入してしまう。彼らのパフォーマンスは瞬きももったいないほどあっという間で、一瞬たりとも目が離せない。
さらに休憩を挟んだあとの第二幕では、シュワルツローズの法月仁(前内孝文)がエーデルローズに「PRISM.1」の対戦を持ちかけたことによって物語が展開していく。
ペアでのプリズムショー、映像を用いながら行われるソロプリズムショーと、彼らが見せるカラフルなパフォーマンスに観客も惹き込まれ、“プリズムのきらめき”を存分に感じられる。デュオ大会での新曲7曲に加え、お風呂曲など計21曲が披露される、豪華なラインナップだ。
前作で話題となった“お風呂シーン”ももちろん健在。青葉が「シナリオを発注されたとき『お風呂シーンを必ず入れてください!』と言われたんです」と囲み会見で話していたとおり、ギリギリを見せる演出が印象的だった。どのような内容になっているかは、劇場でのお楽しみ。
特筆すべきは、やはり一条シンを演じる主演の橋本祥平だろう。今回、如月ルヰ(横田)の登場により物語性も際立っているが、彼のプリズムショーの笑顔には気持ちが明るくなる。その笑顔はまさに“プリズムのきらめき”そのもので、仲間だけでなく、観客の背中を押す力をも持っているように思えた。
一条シンをはじめ、太刀花ユキノジョウ(横井)、香賀美タイガ(長江)、十王院カケル(村上)、鷹梁ミナト(五十嵐)、西園寺レオ(星元)、涼野ユウ(廣野)ら7名は2年という時間を超えた、さらなる仲の良さ、絆を感じさせてくれた。それは、日常を描いたシーンでの和気あいあいとした雰囲気ににじむなごやかな空気感に表れていた。
芝居にプリズムショーと、上演時間は休憩を含めておよそ2時間50分。この“きらめき”に溢れた時間は、映像や照明、音響など、舞台をつくり上げているすべてのものが物語るように、キャスト・スタッフの力によって成り立っているのだと、あらためて強く感じられた。
前作に引き続き“応援上演”もポイント。舞台横のランプが点灯しているパートでは、ペンライトや声援で応援できる仕組みになっている。「僕たちとお客様でステージをつくっていけたら」と橋本からのコメントどおり、応援があってこそ成り立つ作品でもある。芝居パートはもちろん、プリズムショー(ライブパート)も気合いを入れて“応援”していただきたい。
舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」はTOKYO DOME CITY HALLにて3月1日(日)まで上演。Blu-ray/DVD、CD「舞台『KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-』Prism Song Album」のリリースも発表された。詳細はオフィシャルサイトにて。
(c)T-ARTS / syn Sophia / エイベックス・ピクチャーズ / タツノコプロ /
「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」製作委員会2020
橋本祥平らが“プリズムのきらめき”で魅了する。舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」ゲネプロ&囲み会見レポートは、WHAT's IN? tokyoへ。
(WHAT's IN? tokyo)
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