大紀元が信頼できる筋から入手した情報によると、武漢市の大型総合病院・武漢大学人民医院では名前などで個人が特定できる医療関係者とその家族500人以上が新型コロナウイルスに感染したという。この人数は当局の公式統計に含まれていない。
それによると、医療関係者及び家族含むこれらの感染者は現在、同病院の外科と眼科の2つの診療棟の上層部に隔離され治療を受けている。しかし、免職など政治的リスクを避けるため、幹部らは公式統計に計上していないという。
さらに、病院は最も機密性の高い場所と見なされており、情報漏えいを防ぐため、病院は連絡事項などについてすべては口頭での伝達が求められた。
院内感染が深刻 病院応援隊がクルーズ船に泊まる
感染拡大が続く中、院内には殺到した受診者があふれ、患者のベッドが廊下にぎっしり詰まっているため、病院の隅々までウイルスが充満している。また、病院の近くには20数棟の職員住宅があるため、感染が医療スタッフのみならず、その家族にも広がった。
現場の医療スタッフはほぼ毎日のように感染された同僚の死の知らせを受けている。しかし、すべての感染者は隔離されており、各部門にも全体的な統計がないため、具体的な死亡者数は明らかでない。
インターネットに流出した当局の資料によると、2月3日に同院の医療関係者194人がすでに感染したという。
同病院は総合病院としての機能が麻痺しており、新型肺炎の治療にあたっている心臓外科、循環器科と呼吸器科がすべての医療資源を占めているため、他の部門は通常の診断と治療を停止している。
現在、医師と看護師少なくとも1500人が医療現場の最前線で働いている。感染者続出のため、定年退職になった医師らも職場に呼び戻された。にもかかわらず、人手不足が解消されていない。
四川大学華西医院や湖南省湘潭市病院など各地から医療チームが先月末から武漢に入った。宿泊施設の不足を解決するには、当局は民間から長江三峡クルーズ船7隻を徴集した。
医療や生活物資の供給、不満や不安が強まる
情報筋によると、新型肺炎患者の受け入れ指定病院として、武漢大学人民医院では、政府関係者をはじめ、専門家や有名人などの重要人物の治療を最優先に行うため、医療物資の供給が十分に確保されている。しかし、一般の市立病院では、マスクや防護服など防護装備は著しく不足しているという。
また、各地から集まった食料など生活支援物資の分配には、病院内では格差が存在している。ポストの高い順に優先順位をつけて支援物資を選ばせるため、最前線に立つ若手医師や看護師らは腐った野菜や果物しか手に入らない。
武漢市が封鎖されてから1カ月、市民は買い物等の外出を禁じられ、生活の質が日々悪化している。地域管理委員会（町役場）を通じて団体購入した野菜セットは値段が高いのにコスパや品質が劣悪で、市民は政府の対応に怒りをあらわにした。
（翻訳編集・王君宜）
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