空を飛ぶ「ドラキュラオウム」。マントを広げたドラキュラみたい? /Credit: Charles Davies

学校の飼育小屋や動物園で目にするオウムは、白や黄色、緑などの優しい色合いがほとんどです。

しかし、世界には、文字通り「異色の」オウムが存在します。

中でも、ニューギニア島にしか生息しない「ペスケオウム(学名:Psittrichas fulgidus)」は、その体色から「ドラキュラオウム」と呼ばれているのです。

「ニューギニア島」の所在地/Credit: ja.wikipedia

見た目は完全に「ドラキュラ伯爵」

ちなみに、ペスケオウムは、和名で「アラゲインコ」という正式な学名が付いています。

オウム科とインコ科は、世界に350種以上存在するオウム目の2大グループで、ペスケオウムも正確にはインコ科に属するようです。

ところが現地では、識別できなかったのか「ドラキュラオウム(Dracula parrot)」と呼ばれています。

ここでは現地にならって、ドラキュラオウムと呼びます。

Credit: Mike Peel

ドラキュラオウムは、全身黒ずくめで、両翼に真紅のストライプが入っているのが最大の特徴。

確かに、見た目は完全にドラキュラ伯爵のタキシードですね。

Credit: Rüdiger Stehn

全長は約50センチ、体重は680〜800グラムほど。

首は長くて、尾は短く、頭部は硬い毛で覆われ、顔に毛はありません。これは、毛に果肉が付着して、顔が汚れるのを避けるためと考えられています。

顔に毛がないオウム目は、ドラキュラオウムを含め、世界に3種類しかいないそうです。

おそらく両方ともオス/Credit: Flickr

オスとメスは見た目がほぼ一緒で、見分けるのはかなり難しいようです。

ただ唯一の違いは、オスにだけ耳の後ろに赤い斑点があること。それを知っていれば、パッと見ただけで分かるかもしれませんね。

また、他のインコオウムのように、枝から枝へ歩くようには移動しません。彼らの主な移動手段はジャンプです。

Credit: Linda De Volder

それから、ドラキュラオウムとは言うものの、食べるものはいたって普通ですイチジクマンゴーキノコ類、数種類の花を好物とします。

ニンニクが苦手かどうかは分かりませんが、昼間でも外を出歩けるのは確かでしょう。

Credit: Flickr

ドラキュラオウムは近年、密猟や乱獲、土地開発による生息地の減少などで徐々に数を減らしています。

羽毛が非常に美しいため、婚礼に使うドレス用として捕獲されたりもするそうです。

絶滅も危惧されており、保護活動の必要性が高まっています。

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reference: boredpandaserai.jp / written by くらのすけ
漆黒の羽に真紅のストライプを持つ「ドラキュラ・オウム」が神々しい