新型コロナウイルスが発生した湖北省武漢市は、1月23日から市外への感染拡大を防ぐため、空港や鉄道駅を閉鎖する措置を取り、人口1100万人のこの都市は事実上封鎖され、いまだに解除されていない。

 一方、日本でも感染者の数が増加し続けて入るものの、「都市封鎖」をするまでには至っていない。それはなぜなのだろうか。中国メディアの和訊は25日、日本が都市封鎖をしない理由について分析する記事を掲載した。5つの理由が考えられるという。

 1つ目の理由は、「国土が小さく人口密度が高い」ためだ。そのためどこを封鎖しても経済や各業界に大きな影響が出て、まさに「髪の毛1本でも引っ張られると全身が動く」ような国情だからだと分析した。

 2つ目の理由は「夏のオリンピック開催を控えていること」。都市を封鎖するようなことになれば、世界保健機構(WHO)もすぐに警戒レベルを上げてホテル業や旅行業、飲食業が大打撃となると指摘。そうなるとオリンピック開催も危ぶまれるため、都市閉鎖はできないと論じた。

 3つ目の理由は「米国はインフルエンザが猛威を振るっているのに都市封鎖していない」こと。約2000万人の感染者のうち1万6000人が亡くなっているが、それでも米国は都市封鎖をしていないので、まだ数百人の感染者しかいない日本が都市封鎖することはないとしている。

 4つ目の理由は「政治家が大きな影響を受けること」。日本では政治家が選挙で選ばれるため、都市封鎖をして有権者の生活に大きな影響を与えると、次の選挙で勝てなくなるからだと指摘した。

 5つ目の理由は「日本人は自分に自信を持っていること」。日本人は自律性が強く、マスク着用がすでに習慣となっており、きれい好きで、公共の場所でむやみに人が集まるようなことはしないので、都市を封鎖しなくても大丈夫なのだと論じた。

 実際のところ、武漢市のような巨大な都市を封鎖できてしまう国は中国のほかにそう多くはなく、中国だからできたこととも言えるだろう。そのマイナスの作用も少なくはないが、感染拡大の防止という面では確かに効果を挙げているともいえる。日本もできるだけの対策を講じて早く感染拡大が止まることを切に願うばかりだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本は新型コロナ対策としてなぜ「都市の封鎖」をしないのか=中国メディア