『コウノドリ』などのドラマ脚本も手がける、矢島弘一が主宰を務める劇団「東京マハロ」。その最新作で、3年ぶりの再演となる『あるいは真ん中に座るのが俺』に、三津谷亮が出演する。マハロへの参加は初となる三津谷に、本作にかける思いを聞いた。

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作品の題材となっているのは、レオナルドダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』。そこに登場するイエス・キリストと12人の使徒を巡る群像劇だ。「登場するのは聖人ばかりですが、みんなすごく人間っぽいんですよね。今に通じる“あるある”が詰まっていますし、笑えるシーンもたくさんある。さらにキャストの皆さんが役に魂を吹き込んで、立体的になった時がやばいくらい面白くて! 僕がものすごくゲラなので、今、感情を押し殺すことに必死です(笑)

三津谷演じる大ヤコブは、血気盛んで荒々しい男。「怒りっぽいキャラクターではありますけど、やっぱり恩を大事にする、熱い男だと思うんですよね。その怒りにしても、本当に大事な人であるイエスが明日処刑されてしまう。その根底があるからこその怒りだっていうのは、大ヤコブの核として置いておきたいなと。怒るって下手をすると単調な表現にもなりがちですけど、そういう核があることで、いろんな怒りのグラデーションが出せるのではないかと思います」

稽古開始から数日とのことだが、すでにコミュニケーションはばっちりだという。「本当に笑いが絶えない現場ですね。初参加ということもあり、最初はまったく整備されていない道を進むようなものなので、すごく不安だったんです。でも演出の矢島さんのダメ出しが本当に的確で! すべてがストンと、すんなり入ってくる。そこはいい意味で乗っかって、でもチャンスがあれば自分からどんどん広げていけたらなと。あとお酒が好きなので、『飲みに行きましょう』って言いやすい現場なのも嬉しいです(笑)

13年の役者人生の中で、初めての取り組みにも挑戦したいと語る。「今まで僕は“音”で芝居をしてこなかったと思うんです。例えば、なにか立てたいところでゆっくり音を上げていくとか。でもそれってセリフという言葉を伝えるのではなく、セリフの技術力を伝える方向に行きがち。でも今回はかぶせて笑いにしていくところがあったり、同じ音を出さないとやっぱり面白くなくて。そこはいい挑戦になると思いますし、それによってどんなグルーヴを生み出していけるのか。自分自身、すごく楽しみです!」

取材・文:野上瑠美子

三津谷亮 撮影:石阪大輔