ヨーロッパリーグ(EL)・ラウンド32の2ndレグが27日に開催される。グループステージを勝ち抜いた24チームと、チャンピオンズリーグ(CL)グループステージ3位敗退となった8チームを合わせた計32チームで争われるラウンド32。

マンチェスター・ユナイテッドアーセナルインテルといった優勝候補、日本人選手所属クラブを中心にラウンド32第2戦の見どころを紹介していく。

◆ラウンド32・2ndレグ◆
▽2/26(水)
ブラガ 0-1(AGG:2-4) レンジャーズ

▽2/27(木)
《26:55》
ヘント vs ローマ
マルメ vs ヴォルフスブルク
リンツ vs AZ
ポルト vs レバークーゼン
エスパニョール vs ウォルバーハンプトン
バーゼル vs アポエル
《29:00》
マンチェスター・ユナイテッド vs クラブ・ブルージュ
セルティック vs コペンハーゲン
ベンフィカ vs シャフタール
ザルツブルク vs フランクフルト
インテル vs ルドゴレツ
アヤックス vs ヘタフェ
セビージャ vs クルージュ
アーセナル vs オリンピアコス

◆ラウンド32・1stレグ結果◆
▽2/20(木)
クラブ・ブルージュ 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
ルドゴレツ 0-2 インテル
フランクフルト 4-1 ザルツブルク
コペンハーゲン 1-1 セルティック
クルージュ 1-1 セビージャ

スポルティング・リスボン 3-1 イスタンブールBBSK
シャフタール 2-1 ベンフィカ
ヘタフェ 2-0 アヤックス
ヴォルフスブルク 2-1 マルメ
レバークーゼン 2-1 ポルト

AZ 1-1 リンツ
オリンピアコス 0-1 アーセナル
ウォルバーハンプトン 4-0 エスパニョール
アポエル 0-3 バーゼル
ローマ 1-0 ヘント
レンジャーズ 3-2 ブラガ

インテル除き優勝候補は気を抜けず、アヤックスのカムバックは?

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マンチェスター・ユナイテッドと昨季準優勝チームのアーセナルイングランド勢2チームに、大会最多優勝を誇るセビージャ、欧州で実績十分のインテルアヤックスローマといった優勝候補は、先週行われた1stレグでいずれも苦戦を強いられることになった。そのため、敵地で2-0の勝利を収めたインテルを除くいずれのチームもラウンド16進出に向けて気を抜けない状況だ。

現在プレミアリーグ優先のシフトを取るユナイテッドは一部主力温存で臨んだクラブ・ブルージュとの初戦をFWマルシャルが奪った同点ゴールによって辛くも1-1のドローで終えた。それでも、直近のリーグ戦ではMFブルーノ・フェルナンデスに加入後初ゴールが生まれるなど、ワトフォード相手に3-0の快勝。今週末に難敵エバートン戦を控える中、ホームで戦う2ndレグは1stレグ同様に一部ポジションでのローテーションが想定される。頼れる第2GKロメロを中心に主力起用が見込まれる守備陣がきっちり相手の攻撃をシャットアウトし逃げ切りを図りたい。

共に1stレグで1-0の先勝を収めたアーセナルローマの2チームだが、試合内容に関してはかなりの苦戦を強いられた。難所ギリシャの地でFWラカゼットのゴールによってオリンピアコスに先勝したアーセナルは、直近のリーグ戦でもエバートンとの接戦をモノにして公式戦3連勝。今週末はリーグ戦がなくFAカップの対戦相手が格下ポーツマスということもあり、ホームで戦う2ndレグは主力起用できっちり勝ち切りたい。

一方、FWカルレス・ペレスの加入後初ゴールによってホームでヘントを1-0のスコアで破ったローマは、直近のレッチェ戦で後半戦最高のパフォーマンスを披露しセリエAでの新年初勝利。今週末の対戦相手は10戦未勝利と低迷するカリアリが相手だけに、ベルギーでの第2戦に主力を起用してきっちり逃げ切り、好調を継続して週末のリーグ戦に臨みたい。

優勝候補の中で唯一安泰なのはルドゴレツ相手のアウェイゲームを2-0で先勝したインテルイタリア国内で感染が拡大する新型コロナウイルスの影響で、今回の一戦は異例の無観客開催となるが、両者の力量差を考えれば、ホームで逆転を許す可能性は低い。ただ、今週末に控えるユベントスとのイタリア・ダービーに気持ちが傾き過ぎれば、思わぬ悲劇を招く可能性もあるだけに闘将コンテのチームマネジメントは重要だ。

優勝候補の中で最も苦しい立場に立たされているのは、昨シーズンのCLベスト4チームのアヤックスラ・リーガで上位に躍進するヘタフェとの敵地での初戦は、相手の術中にまんまと嵌って0-2の完敗。さらに、直近のエールディビジでは格下ヘラクレスに0-1で敗戦しており、チーム状態は最悪といえる。それでも、対戦相手のヘタフェは直近のリーグ戦でいずれも複数失点を喫して連敗しており、熱狂的なサポーターが最高のムードを作り出すヨハン・クライフ・アレーナでの劇的なカムバックは十分に可能なはずだ。

長谷部&鎌田vs奥川の日本人対決!
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今季のEL決勝トーナメントではグループステージを勝ち抜いたフランクフルトMF長谷部誠、MF鎌田大地ポルトFW中島翔哉、AZのDF菅原由勢の4選手、CL3位敗退組のザルツブルクMF奥川雅也の合計5選手が参戦している。

長谷部と鎌田vs奥川の日本人対決に注目が集まったフランクフルトザルツブルクの初戦では、その3選手が同時にピッチに立った中で鎌田がグループステージのアーセナル戦での2ゴールを上回るハットトリックの大活躍をみせ、ホームのフランクフルトが4-1で先勝。

同試合前まではポジション争いで苦戦を強いられていた鎌田だが、この鮮烈な活躍によって一気にポジション奪取に近づいている。その直後に行われたウニオン・ベルリンとのリーグ戦では長谷部と共にフル出場もチームは敗れているが、今回のザルツブルク戦でも出場機会は十分にありそうだ。

一方、フランクフルト勢との日本人対決に敗れた奥川は前半終了時に交代させられる屈辱を味わうことに。その直後に行われたリーグ戦でもスタメンを飾ったがチームは2-2のドローに終わっており、フラストレーションが溜まる状況が続く。1stレグの結果を考えれば、逆転突破は絶望的な状況だが、個人として一矢報いる活躍を期待したい。

ポルトの中島はブンデスリーガの強豪レバークーゼンとの初戦で途中出場を果たしたが、チームは敵地で1-2の敗戦となった。それでも、アウェイゴールを持ち帰ったことで得意のホームゲームでの逆転突破は十分に可能だ。直近のポルティモネンセ戦で途中出場から1-0の勝利に貢献するパフォーマンスを見せた中島は引き続きベンチから戦況を窺うことになる。

最後に、AZの菅原はオーストリアのリンツとの初戦に後半半ばから途中出場を果たし、1-1のドローに持ち込んだ。25日には名古屋グランパスからの完全移籍が発表されており、AZとの5年契約にサインした若武者はオランダの名門の正式な一員として敵地での運命の第2戦に臨むことになる。
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