2月から3月にかけて、テレビやラジオ等で車の買い取りに関する広告をよく目にしませんか。

自動車の買い取り業界においてまさにこの時期こそが「売り時」なのです

売る側にとっても、3月頃までに車を売ることが一番高価な買い取り価格が引き出せるのです。なぜこの時期なのかという点について解説していきます。

理由1 決算の時期

1つ目の理由は年度末、いわゆる決算の時期であるということです。

新・中古車問わず、3月末までに自動車を販売するとその年度の実績となるため、各社ともあらゆる手法を使って売り上げを伸ばしてきます。

「車が最も安く買える時期」として2月3月が挙げられているのはそのためです。

中古車買い取りの世界においては、販売と両立している業態がほとんどですので、3月頃までに在庫となる中古車を販売し、それ以上に在庫を仕入れる必要があります

もし仮に販売台数と買い取り台数に大幅な乖離が出てしまうと、ゴールデンウィーク(GW)や夏休みを見据えた販売戦略にも支障をきたしてしまうため、少なくとも販売数と同等以上の仕入れ(買い取り)をしなければならなくなるのです。

そのため「多少高額であっても車を買い取る」必要があるので、多額の広告費を投入したりして車を売りたいユーザーを喚起し、一台でも多く在庫を仕入れるべく努力をしています。
そのため、決算の時期においては中古車の買い取り額が高額になっていくのです。

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理由2 自動車税の課税基準

2つ目の理由は直接的に買い取り価格には関係ありませんが、とても大切な項目です。
自動車を保有していると毎年のGW付近にやってくる年1回のイベント、自動車税の支払い」があります。

この自動車税の課税タイミングに大きなポイントがあるのです。

自動車税の課税タイミングについて東京都主税局のHP(※)では「4月1日現在、三輪以上の小型自動車、普通自動車(特殊自動車を除く。)の所有者として自動車検査証(車検証)に記載されている方」に納税の義務があると記載されています。

つまり、3月31日までに車検証上の名義変更を行う必要がある、ということです。

車の名義変更は、軽自動車を除いて車を売却した日にすぐできるというわけではありませんから、31日よりも早め、可能であれば20日を目途に車の引き渡しまでを完了できれば、中古車買い取り店側で名義変更ができるはずですので、課税されることはありません

もし仮に4月に名義変更となってしまう場合は「月割りで自動車税を納税する義務」が生じる可能性もありますから、注意しましょう。

愛車を最も高額で売るためのテクニック

最後に、今乗っている愛車を3月末までに最も高値で売却するためのテクニックをご紹介します。この方法はただ車を売る方だけでなく、車を乗り換え(新車でも中古車でも)する方にも有益な方法となります。

中古車の買い取り価格はディーラーでも中古車買い取り店でも同額と思っている方もいらっしゃるかと思いますが、それは大きな間違い。買い取り価格は「お店によって異なっている」のです。

そのため、1社でも多く中古車査定をしてもらって買い取り価格を比較した方がいいのですが、車の査定には最低でも1~2時間という割と長めの時間がかかります。

これを複数社行うと体力的にも時間的にも大変なので、インターネット上で「一括査定」と検索すると、1回の情報入力で複数の買い取り店に査定依頼をすることができます。

一括査定を依頼すると、即座に各社のコールセンターから「出張査定」などの電話が一斉に入ってきます。

この電話をさばくのに労力がいりますが、この方法が筆者の経験上買い取り査定額を高額にできる方法だと思います。

出張査定の場合、自分がお店へ出向かずに買い取り店のスタッフが指定の場所まで来てくれますから、移動の手間もかかりません。

さらに出張査定の時は、複数の買い取り業者に同じ日同じ時間に来てもらうのがポイント。
これによりその場でオークションのような状態になるため、高値での買い取り価格を引き出しやすくなります。

まとめ

自動車税が課税されるまでの約1カ月間が勝負となります。
車の買い替えや売却を検討しているなら、一度この方法を実践してみてください。

【参考】
(※)「自動車税東京都主税局