earth-1151659_640_e

024-657-834 from Pixabay

 地球にはおよそ3年前から月が2つ存在していたようだ。

 アリゾナ大学の全天サーベイ「カタリナスカイサーベイ」の天文学者によって、地球の重力に捕まった直径2~3メートルの小惑星が発見されたのだ。

 ただしその軌道は極めて不安定で、数カ月後には再び軌道を離れ遠くへ飛んで行ってしまうとみられている。

―あわせて読みたい―

現在も地球の軌道を周回する危険な8の物体
地球の周りで不可思議な軌道を描く謎の物体の正体は?
2029年4月、13日の金曜日、邪神の名を持つ小惑星「アポフィス」が地球に大接近
いまだ深い謎に包まれている米空軍の無人宇宙船「X-37B」は2年にわたり地球軌道を飛行し続けている
月と地球をつなぐ宇宙エレベーター構想。月からエレベーターを垂らすことで既存の技術で実現可能と宇宙物理学者

期間限定のミニムーン

 “ミニムーン”の可能性がある2020 CD3は、先月NASAレーダーに捕捉され、2月15日に観測された。

 以来52回観測された結果から、一時的に地球の重力に捕捉されたものと結論づけられ、25日に国際天文学連合によって発表された。

 どうも3年ほど前に地球の軌道に進入し、現在にいたっているようだ。
 発見者の1人であるカッパー・ビエルチョス博士は、「ミニムーンの可能性がある『2020 CD3』という天体を地球が一時的に捕捉」とツイートしている。


 ビエルチョス博士の計算によれば、直径は1.9~3.5メートルと小さく、そのために20等級とかなり暗い。

 また小惑星としてはもっとも一般的な「C型小惑星」に分類され、大量の炭素を含んでいると考えられている。

数ヶ月後には地球から離脱

 NASAのシャンタヌ・ナイドゥ博士によると、2020 CD3は2月13日に地球に再接近し、現在はその重力から抜け出そうとしているという。ただし、その後も地球の近くにはいて、約25年後に再び接近するらしい。

 また2020 CD3が宇宙船の部品である可能性も絶対にないわけではないとのことだ。


 だが、それでも大ニュースだ。何しろ、ビエルチョス博士によれば、C型小惑星が100万個も知られている一方で、地球の軌道にあることが判明しているものは、これまでたったの2つだけなのだ。

 なお、最初の1つは、2006年から2007年にかけて18ヶ月間地球を周回していた「2006 RH120」という小惑星であるそうだ。

References:inverse/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52288354.html
 

こちらもオススメ!

―知るの紹介記事―

「コーヒーは体に悪いに違いない」18世紀のスウェーデン国王がそれを証明しようと行ったコーヒー実験、その結末は?
ベテルギウスが再び輝きを取り戻しつつある兆候。超新星爆発は免れたか?
「パニックによる買い占め」と「合理的な危機への備え」との違いは何か?
スミソニアン博物館、280万点以上の作品をデジタル化&無料ダウンロード可能に
完璧主義は目的を見失う。心理的柔軟性を身に着けるための2つのヒント

―自然・廃墟・宇宙についての記事―

ベテルギウスが再び輝きを取り戻しつつある兆候。超新星爆発は免れたか?
これまでに発見された小惑星の大きさをニューヨーク市と比較してみた
地球に衝突するリスクのある地球近傍天体が11個特定される(オランダ研究)
2020年1月は過去141年間で最も暑い1月だったことが判明 
地球はどうやってできたのか?太陽系最遠の小惑星アロコスが教えてくれること(米研究)
地球に「第2の月」が発見される。ただし期間限定