偶然発見されたブラックホール/Credit: NASA/Goddard/University of Arizona/MIT/Harvard

NASAの宇宙探査機「オサイリス・レックス」が、探査目標とする小惑星ベンヌを周回中、偶然にも新しいブラックホールを発見しました。

光源(X線反応)自体は、昨年の11月11日に地球から約3万光年離れた場所で見つかっていますが、その後の分析で、それが恒星ブラックホールだったと判明したのです。

ベンヌ観測中、探査機に搭載した分光器に意図せず映り込んだようで、前例のない珍しい発見となりました。

ブラックホールがたまたま映り込む!?

ブラックホールの光源は、オサイリス・レックスに搭載された「REXIS(レゴリスX線撮像分光器)」により発見されました。

REXISは、小惑星ベンヌが太陽放射に反応して放つX線を捉えるために設計されましたが、その主な目的は、次世代の宇宙科学者やエンジニアを目指す学生たちに、実地で宇宙探査の経験を与えることです。

そのため、設計段階からマサチューセッツ工科大学およびハーバード大学の学生が関わっています。

Credit: NASA/Goddard/University of Arizona/MIT/Harvard

同じX線反応は、その後、ISS国際宇宙ステーション)に搭載された日本の「全天X線監視装置(MAXI)」およびNASAの「中性子星観測装置(NICER)」によっても確認されたとのこと。

天体が放つX線は、通常、宇宙空間からしか観測できません。地球上では大気層が宇宙から入射するX線を遮断するため観測できないのです。

今回REXISが検知したX線放射は、ブラックホールがその周囲を公転する恒星からチリやガスなどの物質を吸い込んだ時に発生したものでした。

チリやガスがブラックホール に吸い込まれると、その過程で大量のエネルギーが主にX線の形で放出されます。例えるなら火花のようなものです。

REXIS探査を担当するマサチューセッツ工科大学のリチャード・ビンゼル教授は「日頃から、学生たちには宇宙探査機の製造法や扱い方を教えてきましたが、今回、こうした奇跡的な発見がなされたことで、学生たちにとっては最高の経験となったでしょう」と話しています。

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