俳優、演出家、タレントと幅広く活躍するラサール石井さんが出演する映画「星屑(ほしくず)の町」。同作は、結成から十数年がたつ、大手レコード会社の元社員・山田修をリーダーに飲み仲間らで結成されたコーラスグループ「山田修とハローナイツ」は東北の田舎町へ巡業中、歌手になることを夢見ていた愛(のんさん)と出会います。愛はハローナイツのメンバー、市村(ラサールさん)に、ハローナイツに入りたいと言いだし…同名舞台の映画化です。

 オトナンサー編集部では、ラサールさんにインタビューを実施。映画化の経緯や、のんさんの印象、ハローナイツメンバーとの関係などについて聞きました。

「今回も、駄目だろうなと思って…」

Q.映画化の経緯を教えてください。

ラサールさん(以下敬称略)「25年舞台を続けていて、過去に2、3回映画化の話はありましたが全部つぶれていました。(作家の)水谷龍二さんから『映画になる、のんちゃんが出る』と聞いて、メンバー全員またつぶれるだろうと思っていたら撮影が始まり、撮ってから1年以内の公開になりました。実現するときはこういうもんだなと思いました。

僕らも年なので、映画化の際にキャストが全員代わっても文句は言えません。でも、オリジナルキャストにするとおっしゃってくれたので、ありがたい限りでした」

Q.映画化の話を聞いて、どう思われましたか。

ラサール「うそだろうと思いました。さっきも言いましたが今まで、台本まで出来上がったのにつぶれたこともあります。今回も結局、駄目だろうなと思っていました。だから、どういうことなんだろうと思いました(笑)」

Q.ハローナイツの楽屋シーンの動きは、相談されているのでしょうか。

ラサール「まず舞台は、1回だけ本読みをしたらすぐ立ち稽古をします。たいて、設定が楽屋なんですが、どこに座ってどう動くかは指示されません。だから、各自で勝手に移動します。その間に着替えなきゃいけないんですが、着替えの段取りも自分たちでします。この段階でどこまで着替えているかとか、主な動きは2日くらいで作ります。だから映画でも自然にそうなりました」

Q.映画から入られた、のんさんと杉山泰一監督ですが、出来上がっているチームにすぐに入られていましたか。

ラサール「杉山監督は最初の舞台から見ているし、この芝居のファンなので、したかったのかもしれません。のんちゃんは緊張していたみたいです。でも僕らから見たら堂々たるもので、現場では一番しっかりしていました。僕らがふわふわしているから(笑)」

Q.のんさんの印象をお願いします。

ラサール「冒頭の田舎娘のときは猫背なのに、売れてくるシーンでは背筋が伸びています。ちゃんとプランがあるシャボン玉のシーンのメークはオードリー・ヘプバーンみたいで、かわいいというより、本当にきれいなんだと思いました」

Q.ハローナイツのメンバーとは長い付き合いだと思いますが、家族のような関係でしょうか。

ラサール「家族というか、意外と普段は会いません。星屑の舞台のときだけ会います。久々に会っても『懐かしい』って感じではなく、昨日まで会っていたように入れます。本当にバラバラなんですが、このメンバーで映画に出られることが奇跡です。普通、誰か代わるか全員代わるかだと思います」

Q.舞台は7作目が完結編になっていますが、復活する可能性は。

ラサール「実は復活します。完結編を出したのが5年前で、本当に終わるんですかという問い合わせが多かったので、水谷さんにどうしますかと聞いたら、『じゃあ10年後』と言われました。本気じゃない可能性もありますが、こっちは本気で捉えて5年後に『星屑の町~忘却篇~』を公開するつもりです」

Q.普段、気分転換にしていることを教えてください。

ラサール「だいたい芝居をしているので、前の芝居をリフレッシュするのは、次の芝居になっています。あとは合間にゴルフに行ったり、旅行に行ったりすることですね。日常だとお風呂です。羊水塩という羊水と同じ濃度の塩を入れて、あとは重炭酸水になるサプリを入れています」

 映画「星屑の町」は全国公開中。

オトナンサー編集部

ラサール石井さん