新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化するイタリアサッカー界も大きな混乱に見舞われている。イタリア『ANSA通信』など複数メディアが伝えた

現在イタリア国内ではロンバルディア州やヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州、ピエモンテ州の北部を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。7日時点では感染者5000人を超えて、死者も200人以上に増加。

さらにイタリア政府は8日、北部地域において大規模な封鎖を行うと発表。これにより、国内人口の約4分の1にあたる約1600万人が他地域への移動を制限されることになった。

この緊急事態を受けて、イタリア選手協会(AIC)のダミアーノ・トンマージ会長は選手やスタッフ、その家族の健康を守るため、新型コロナウイルスが収束するまでセリエAを含む国内の公式戦を中止すべきとの見解を述べていた。

すると、その要請を受けてイタリア内閣府スポーツ局のヴィンチェンツォ・スパダフォーラ大臣は8日、政府として新型コロナウイルスが収束するまでセリエAの中断を要請する意向であることを明らかにした。

イタリア選手協会会長のダミアーノ・トンマージ会長の見解を共有し、サッカーリーグ戦を一時中止とする呼びかけに同意している」

「現時点でそれは意味をなさないかもしれない。だが、我々はウイルスの拡散を阻止するため多くの市民に多大な犠牲を払うよう求めている。その中でスポーツ面の利益を守るため、プレーヤーやレフェリースタッフファンが試合観戦のために集い、健康を損なうリスクを負わせることは避けなければならない」

「他の連盟に関しては今後数日間、試合開催を一時中断する賢明な決定を下した。FIGCのガブリエレ・グラヴィナ会長にはセリエAプレーヤーに最初の感染者が出るという中止の事例を待たず、再考することが責務だと考える」

そして、スパダフォーラ大臣の突然の発言を受けて、8日の現地時間12:30(日本時間20:30)開催予定だったパルマvsSPALでは信じがたいアクシデントに見舞われた。

1時間前にスタメンが発表されてピッチへの入場とセリエAアンセムまで流されていたキックオフ直前、スパダフォーラ大臣の発言を聞いた審判団がその事実を選手たちに伝えロッカールームに引き上げさせた。

急転直下の中止も想定されたが、最終的に試合は現地時間13:45(日本時間21:45)に無事キックオフを迎えた。

なお、ユベントスインテルによるイタリア・ダービーを含め同日行われるセリエAの試合は予定通り開催されるが、次節以降に関しては中止の可能性が出てきている。

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