―[言論ストロンスタイル]―


◆断言する。もはや安倍晋三は、菅直人にも劣る無能者に落ちぶれてしまった!

 世間は、コロナウィルス一色である。病原体の発生源である中国は、パニックと化している。中国は、そもそも独裁体制の国である。当然、入ってくる情報が錯綜する。真相など、後にならなければわかるはずがない。問題は、「どうするか!」であって、「どうなっているのか?」などわかるはずがない。しかも、今回のコロナウィルスは新型で、有効なワクチンも無い。

 これにつられてパニックを起こしたのが、日ごろは「保守」を標榜する言論人どもだ。最初は、怪しげな統計を使って「被害者1万人」からはじまったのだが、ネット媒体ではマトモな検証がなされないのをいいことに、「被害者65万人」「感染者1億人」「18か月で6500万人が死ぬ」などと、数字だけが暴走している。「テレビや新聞は嘘ばかりだけれども、ネットには真実がある」などと信じているご老人は、さぞ不安がっただろう。保守言論人の少なからずの連中は、善良で何も知らないご老人を脅し騙し、不安がらせるのが商売なのだから。ネット保守の言論など、オレオレ詐欺と同じだ。

 燻るのが「武漢肺炎は生物兵器説」だ。まことしやかに中国情勢を語る輩の話を聞いてみると、生物兵器と化学兵器の区別もついていない。中国への敵愾心を煽るのは結構だが、私のように本気で中国共産党の日本への敵対行為を警戒する人間からしたら迷惑だ。これでは中国を批判すれば、マトモな人から頭がおかしい人と思われてしまう。

 私は、今回の中国発の伝染病が、生物兵器かどうかは知らない。検証する能力もない。あらゆる可能性を排除せず警戒すべきだ。同時に冷静さを保ち、正しく警戒すべきだ。間違っても、パニックを扇動するような真似をしてはならない。

 では、今回のウィルスが生物兵器だとして、あるいは風邪かインフルエンザ程度の病原体だとして、大事なのは、「どうするか!」ではないのか。結局、今のところコロナウィルスは、感染力は高いが老人や病人を除けば、死者がでるほどの殺傷力はない。対策は「風邪と同じで、免疫をつけるしかない」のである。繰り返すが、正しく警戒すべきだ。

 コロナウィルスは、長すぎた安倍政権とその御用評論家どものメッキも剥がしてくれた。コロナウィルスをめぐり、「楽観論と悲観論、どちらが勝つか」という世にも愚かな論争が繰り広げられている。そういう勝負をすること自体が恥ずかしいと、誰も教えてくれずに大人になったのだろう。幇間芸人どもは、ド~でもいい。問題は安倍政権そのものだ。

 iPS細胞の研究予算を削ろうとして山中伸弥教授を激怒させたのが、和泉洋人首相補佐官と、不倫関係にあると言われる厚労省の大坪寛子審議官だ。ただでさえ国賊級のバカップルが、コロナ対応を大混乱させているのは、週刊SPA!連載「週刊・匿名記者座談会」で先週既報の通り。もはや安倍政権の腐敗は、頂点に達した。

 昨年夏の参議院選挙で、安倍晋三首相は「あの民主党の悪夢に戻していいのか?」と有権者を脅して、選挙に勝った。

 しかし、民主党政権3年半、安倍政権7年強。どちらが我々日本人にとって、有害だっただろうか。後世の歴史家の評価を待つまでもなく、我々が審判を下すべきではないだろうか。コロナ如きでこの大混乱の安倍内閣、1000年に1度の大震災が来たら、間違いなく地獄を見るだろう。断言する。もはや安倍晋三は、菅直人にも劣る無能者に落ちぶれてしまった!

◆もはや1日でも長く続けば、国家の損失。長すぎる政権は、矩を超えた。その象徴が、検察人事への介入だ

 そもそも、なぜ安倍晋三が今の地位を占めることができるのか。

 自民党の存在意義は、「国民に飯を食わせること」である。ところがそれが、バブル崩壊でできなくなった。トドメがリーマンショックである。時の首相は麻生太郎。国民は、「鳩山由紀夫民主党でもいいから、麻生太郎自民党はイヤだ」と選択した。ところが民主党は無能の限りを尽くし、東日本大震災でトドメを刺された。民主党は「官僚の言いなりになってはいけない」ということだけは知っていたが、それだけだった。

 代わって登場したのが安倍政権である。最初の1年は良かった。アベノミクスは絶好調、景気は記録的な回復軌道に乗った。しかし、官僚に消費増税を押し付けられ、惨めに屈服。その後は2回の増税延期をしたのだが、所詮は延期。景気回復の勢いは戻らず、遂に10%の増税。既に日本経済の悪化はリーマン級だ。いつ、それが誰の目にも明らかになるか、時間の問題だ。

 民主党の罪は「自民党の方がマシ」だと思わせたことだ。自民党など、官僚の振り付けで踊る以外に何の取り柄も無いのに。その証拠に、今回のコロナ騒動だ。官僚が間違えたら、自民党は白痴にすぎない。それでも災害対策だけはマトモにやって来たはずだが、こうなると自民党を存在させる意味はない。ましてや、安倍内閣が1日でも長く続くと、それだけ国家の損失だ。

 長すぎる政権は、矩を超えた。その象徴が、検察人事への介入だ。

 1月31日、安倍内閣は閣議決定により、黒川弘務東京高検検事長の定年を延長した。検察庁法で検事の定年は決まっているが、森まさこ法相は国家公務員法の規定を援用したと説明した。しかし、過去の政府見解では、検事は国家公務員法の定年延長の適用外である。人事院の松尾恵美子給与局長は「過去の解釈は生きている」と答弁した。当然だ。森法相は立ち往生する。

 ところが安倍首相は「解釈変更した」と言い切る。腐っても鯛、総理大臣が答弁してしまえば、官僚は答弁を合わせなければならない。松尾局長は答弁を撤回してしまう。追及する野党も気が引けていた。当たり前だ。松尾局長は、政権により嘘を強要されているのだから。

 安倍首相は「法務省が言ってきたので認めた」と、他人事のように答える。森法相も「官邸に忖度したことはない」と言い張る。誰が見ても口裏合わせだ。

 与党は数を頼みに逃げ切るつもりだろうが、権力を維持して、この人たちは何がしたいのか。

 ところで。象徴的な場面があった。

 法務大臣と内閣法制局長官の答弁が食い違った。野党は「どちらが嘘をついているのだ?」と追及する。法務大臣が前言を撤回した。政治家は間違うが、官僚は無謬なのか。

 これでは選挙の意味が無いのではないか?

【倉山 満】
憲政史研究家 ’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。現在、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交について積極的に言論活動を行っている。ベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』など著書多数。最新著書に『13歳からの「くにまもり」

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2月26日、新型コロナウィルス感染症対策本部における安倍晋三首相(手前)。安倍首相は民主党政権を「悪夢」と揶揄したが、今でも同じように笑えるだろうか 写真/時事通信社