中国国営の中国新聞社は4日付で、「多くの官僚は愛人と“房”事で失脚 腐敗一掃の新たな課題は反省を引き起こす」と題する論説を発表した。不正に手を染める官僚の多くは愛人を養っている。さらに、住宅物件を不正に買い集める行為も目立つという。中国語では不動産を「房地産」、住宅物件を買うことを「買房子」と呼ぶことから、論説は「愛人と“房”事」と表現した。

  中国共産党の理論面における支柱のひとつである中央党校の謝春濤享受は「官僚が不正行為を続けながら出世していく現象がますます増えている。制度面を再考すべきだ」との考えを示した。抜擢の際には共産党の紀律委員会が介入し、在任前には身辺の状況を審査して公開。離任時の監査も厳格さと透明さが必要という。

  中国では腐敗官僚について「ハエ」と「虎」と表現する言い方が増えた。「虎」は自らも腐敗行為を続けながら、配下である「ハエ」を守る“大物”だ。「虎」が摘発された事例も多くなり、「叩き落されたハエ」はさらに増えた。そして、一般人と接触する機会も多い「ハエ」が「小物であるにもかかわらず、巨額の不正に手を染めていた」事例が目立つという。

  論説によると、腐敗問題で目立つのは「愛人」と「“房”事」という。不正に手を染めた官僚の多くは、「愛人」を養っており、愛人が待遇などに不満を持ったため当局に告発することで、問題が発覚した例もある。

  「“房”事」の問題では、地位を悪用して不正に不動産を取得して利益を得ようとする例が注目されるようになった。一般には、地位がそれほど高くない物の犯行だ。同論説によると、「房事腐敗」と「小官の巨額の不正」は、大衆が「我慢できる最後の限界」に迫りつつあるという。(編集担当:如月隼人)