キャンプを通じて、緩やかに変わりゆく女子高生たち。見た人すべてが癒やされる“ゆるゆる系ガールズキャンプ”ドラマ! テレビ東京・木ドラ25にて現在放送中&Amazonプライム・ビデオにて独占配信中の『ゆるキャン△』は、2018年に大評判となりキャンプブームの火付け役となった同名アニメ(原作:あfろ)の実写版作品だ。

静かにキャンプを楽しみたいソロキャンパーの主人公・志摩リン役に福原遥、リンと出会ったことでキャンプに惹かれていく女子高校生・各務原(かがみはら)なでしこ役には大原優乃。彼女たちのキャスティングとともに、「あの温かな世界観を、実写でどう表現するのか?」と、原作ファン・アニメファンの間で放送前から話題を集めた本作。いざオンエアが始まってみると、『ゆるキャン△』世界の徹底した再現ぶりに毎週SNSが沸いている。

原作ファンからの厳しい目線にさらされる漫画・アニメ実写化だが、そんな中でも称賛の声が多い貴重な一本となっている木ドラ25『ゆるキャン△』。本作はどんな志のもと制作されているのだろうか? ドラマ化企画の立ち上げから作品に関わる3人のプロデューサーに詳しく聞いてみた。

取材・文 / 阿部美香 構成 / 柳 雄大

◆画づくりがアニメとそっくりに見えるのは、狙ってそうなったわけではなく…?

※今回のインタビューに登場していただいたのは、木ドラ25『ゆるキャン△』のプロデューサーを務めるテレビ東京・藤野慎也さん、ヘッドクォーター(映像制作プロダクション)の熊谷喜一さん、S・D・P(映像配給を手掛ける、スターダストプロモーションのグループ会社)の岩倉達哉さんの3人です。

ーー 『ゆるキャン△』はアニメ版が先に大ヒットしていた作品です。こういう作品の場合、実写化に対しアニメファンの観る目はとてもシビアですが、今回のドラマ版は画(え)作りが非常にアニメ版に近いことも高い評価につながっています。正直なところ、アニメ版をどこまで意識されたんでしょうか。

【 熊谷 】 そこに関しては、ディレクター陣とも話をしたんですが……実は彼らは、それほどアニメをしっかり観ているというわけではないんですね。僕らも含めて、むしろスタッフ全員が強く意識したのは原作(漫画)のほうで。原作をきちんと把握して、現実のキャンプ場、実際の土地を舞台にしたリアルな場所で芝居をすると、必然的にカット割りが似てくるんですよ。自然の背景もそうですし、人物の立ち位置も。原作がリアルな場所を描いているからこそ、実写のほうも必然的にそこに近づく。それが結果的に、アニメ版と非常に近い画作りとして見えているんだと思いますね。

【 岩倉 】 だから、放送が始まってSNSで「アニメに似てる!」とファンの方に指摘されて初めて、「ああ、そうなんだ」と感心したほどです。そもそも原作がとても綿密に考えられて作られているので、そこに“動く”要素を加えて映像に置き換えると、自然と出来上がるものは似てくるんですね。

ーー 原作に忠実に映像化した結果が、映像にそのまま表れたと。

【 岩倉 】 そうですね。ドラマのほうは、あくまでも原作を読んで中身を捕まえています。だから、アニメ版とは大きく違うところがひとつあります。アニメ版は(各務原)なでしこが主役の位置づけで描かれていますが、ドラマはリンを主役としています。

ーー 確かにそうですね。特に最初のお話は、原作とドラマ版はリンの視点から始まりますが、アニメ版はなでしこ視点からのスタートに変更されていました。

【 岩倉 】 なので僕もある時「アニメのほうはなでしこがメイン」だと知って、個人的にはすごく驚いて。まだ企画の段階だったので、すぐに原作のあfろ先生に「ドラマはリンが主役であるという解釈で進めるつもりですが、実際どうなのでしょうか?」と確認をさせてもらいました。

ーー 原作サイドからはどういう回答が?

【 熊谷 】 厳密には、必ずしもどちらが主役というのはなく、“バディもの”だという感じでしたので、僕らも自信を持って脚本に注力できました。原作サイドからも「実際のキャンプ場でロケができるといいですね」という激励もいただけたんですが……同時に、そこが一番のプレッシャーでしたね。

ーー 原作どおりの場所でロケができるかどうかが。

【 藤野 】 はい。このドラマにとっては、そこが一番大事なところなので。

【 岩倉 】 『ゆるキャン△』はキャンプ地と人間ドラマが紐付いている作品です。もし撮影場所が変わってしまったら、人間ドラマも変えなければならない。それは相当仕上がりに影響してくる問題です。

ーー 確かに、リンとなでしこの気持ちが近づいていく過程やキャンパーとしての成長も、場所場所で巻き起こるエピソードも、それぞれのキャンプ場や観光地があってこそ繋がっていますよね。

【 岩倉 】 そうなんです。その紐付けを丁寧に扱えない実写化は、ミスを生んでしまう可能性が高い。

【 熊谷 】 もちろんアニメ版のスタッフさんも、それぞれのキャンプ場で実際に取材をしたり、許可は取られたと思いますが、「撮影行為」となるとまた話は別で。「何日から何日まで撮影に使わせてください」、「ここからここまでの場所を撮影したいので、スケジュール空けてもらいませんか?」と交渉しなければならない。しかも今となっては、原作に出てくる全てのキャンプ場が大人気です。撮影予定日にどこまで貸し切らせてもらえるか、どの範囲まで貸し切れるのかと、ヒヤヒヤしながら交渉させてもらってました。

【 藤野 】 各キャンプ場すべての撮影許可が取れたときは、「うわ~、良かった!」と全員で胸をなで下ろしましたよね。

◆企画立ち上げから放送までこんなに早かったドラマはなかなかない!

ーー 本作はそもそもどのような経緯で実写化に至ったのでしょうか?

【 熊谷 】 僕は前からキャンプを趣味にしているんですが、アウトドアブームは90年代前半に一度大きな波があり、その後は停滞して3~4年ほど前から急に盛り返してきているんです。特にここ1、2年は爆発的なブームになっていると、ひしひしと感じていて。そんな最中『ゆるキャン△』の原作に辿り着いたんですよ。漫画を読んでみて、実写化にとても向いている題材だと思いました。

ーー どのあたりがドラマ向きだと?

【 熊谷 】 まず、ただのキャンプものに終わっていないこと。ソロキャンパーである志摩リンという少女がキャンプを通じて心を開いていく話であるだけでなく、みんなでやるグルキャン(グループキャンプ)も良ければソロキャンプもいいと、価値の多様性も表現されている。そのドラマ性は原作の大きな強みです。そして実写にしたときの“強さ”の種類はいろいろありますが、一番大きかったポイントはリアルな場所が描かれていることでした。現実のキャンプ場、実際の土地を舞台にしているからこその強さが、この原作にはある。これはぜひドラマにしたいと思い、まず岩倉さんにご相談に行ったのが最初ですね。

【 岩倉 】 実は僕もそのお話をいただく前に、面白い原作の提案として一度『ゆるキャン△』に接触したことがあったんです。そんなときに熊谷さんから『ゆるキャン△』をあらためてご提案いただいて読んでみたら、ただキャンプをするだけの話ではなく、女子高生たちの心のドラマがちゃんと描かれていて、実写ドラマにはぴったりだと僕も感じました。そこで、テレビ東京さんに相談するのが一番いいと思い、『勇者ヨシヒコ』シリーズでもお世話になった藤野さんにお話を持っていったんです。

ーー キャンプ好きの熊谷さんが原作に惚れ込み、岩倉さんもドラマ向けの題材だとプロの目で吟味されたわけですね。テレビ東京の藤野さんは、その話をどう思われました?

【 藤野 】 僕は当初、正直に言うと『ゆるキャン△』自体を知らなかったんです。でもちょうどプライベートでキャンプに興味を持ち始め、ギアを集めだしていた時期だった。「キャンプのドラマをやれたらいいな」という熱が高まっていたんですよ。テレビ東京としても、ちょうど去年、『ひとりキャンプで食って寝る』というドラマの制作が進んでいて、「こういうキャンプを題材にしたドラマをプロデュースできたら幸せだろうな」と思っていた矢先ですね。岩倉さんから『ゆるキャン△』のお話をいただいて、原作とアニメ版を拝見したら、「これはぜひうちでやりたい!」と。

ーー まさに渡りに船でしたね。

【 藤野 】 そうなんですよ。それが去年の5月くらい。原作で描かれているのは、オフシーズンの冬のキャンプ……そうなると当然、撮影も冬に行わなければならないし、放送する時期も冬がベストです。これは早く取り組まなくてはと思い、お話をもらった3日後には、今、テレビ放送後に独占配信をさせてもらっているAmazonプライムさんにさっそくお声がけをして。すると先方も非常に乗り気になってくださり、企画を進められたんです。番組によっては、1年前、2年前から企画を進める場合もありますが、『ゆるキャン△』は本当にトントン拍子で。こんなに早く放送が決まるドラマはなかなかないと思います。

3次元にはほど遠いなでしこ、無表情でもかわいいリン…奇跡的キャスティングの裏側

ーー 原作を再現するにはキャスティングも重要だったと思います。視聴者には、イメージどおりのキャスティングも大変評価されていますね。

【 岩倉 】 おかげさまで、登場人物のルックスも原作を彷彿とさせると、皆さんに褒めていただいています。衣装部さんやヘアメイクさんの創意工夫が、目に見える形での「似ている」にも繋がっています。

ーー キャスティングにおいてポイントとなったのは?

【 岩倉 】 なでしこをどなたに演じてもらうかは、何度も議論を重ねました。なでしこが一番、3次元から遠いキャラクターだと解釈していたので。なんと言えばいいのか……なでしこは、とにかく“裏表がなさすぎる”女の子です。

ーー イマドキの高校生とは思えないくらい、邪気がなく明るいですよね。

【 岩倉 】 ややもすると、やかましくて、うるさくなってしまう(苦笑)。意図せずともそう見えてしまいがちなキャラクターなので、本人の素に近いところで良い意味でなでしこらしさを持っている人がいいと思いました。大原優乃さんは、素顔も素直で明るく、とても素敵で、なでしこにぴったりでした。

【 藤野 】 なでしこに限らず、原作の女の子たちは、みんな素朴で純粋ですよね。『ゆるキャン△』の良さのひとつは、間違いなくそのキャラクター性です。それぞれが、それぞれのアプローチでキャンプピュアに向き合っているから、観ていて心地よい。その中でも大原さんのなでしこは、キャンプに対して猪突猛進。そこを嫌味なく演じてくれたのが大原さんです。ご本人もあるインタビューでおっしゃっていましたが、撮影以外の時でも“常に(自分が)なでしこだったらどういう反応するのか?”を考えながら過ごしていたそうです。役作りでそこまで努力していただけたことに感動しましたね。

ーー いっぽうリン役の福原遥さんは、弾けたキャラクターが多い中での静かな演技が光ります。無表情でもぼそっと愛情あふれるセリフがあることで、なでしこや他のキャラとの距離感が縮まっていく様をとても魅力的に演じられています。そういう抑えた演技こそ、とても難しいですよね?

【 岩倉 】 そうですね。リンは表情を表に出さないキャラクターなんですが……“無表情だけど可愛らしい”というのは、実写よりも絵(=漫画やアニメ)のほうが格段に表現できると思います。リアルな人間の場合、無表情だと、どうしてもつまらなそうに見えてしまう。どれくらい感情を表に出したら、それぞれのシーケンスでリンが輝くのか、福原さんご本人が一番苦労したところだと思います。原作を細かく研究して、見事にリンを演じてくださいました。

ーー 野クル(野外活動サークル)の仲間では、田辺桃子さん演じる個性的なメガネっ娘大垣千明も、なでしこ同様にとても2次元キャラらしい人物。芝居はもちろん、ルックスの再現度にも驚かされました。

【 熊谷 】 実は、僕らがオーディションをしていた時は、大垣がここまで大垣っぽくなるとは思っていなかったんですよ(笑)。もともと田辺さんには大垣に通じる力強さがあると思っていましたが、衣装合わせを重ねていくうちに、どんどんキャラクターに近づいていった。それには僕らも驚きました。

【 岩倉 】 田辺さんは、素に戻るとおっとりした印象なんですが、髪型を作ってメガネをかけると、大垣なんですよ(笑)。「大垣が大垣だ」という反応は、役者冥利に尽きるのではないですかね。

【 藤野 】 大垣は表情が豊かなので、田辺さんもかなりこだわって演じていたようですよ。

【 熊谷 】 第9話でなでしこ一家にほうとうをご馳走する回は、カメラ目線で何度もコミカルな表情をするのがポイントで。田辺さんはかなり頑張って、いろいろバリエーションを考えて現場に来てくれてました。

ーー 箭内夢菜さん演じる関西弁の犬山あおいも、『ゆるキャン△』のほんわかした雰囲気を体現するキャラクターですね。

【 岩倉 】 しかも純粋な関西弁じゃなく、同居しているおばあちゃんが関西人で、それを聞いているうちに身につけたという特殊な裏設定があります。なので大阪ではなく神戸あたりの少しマイルドな関西弁のイメージで。彼女の少しアンニュイな佇まいが、うまく柔らかい関西弁にのりましたよね。

ーー リンの友達で、野クルメンバーとリンの仲立ちをしてくれる斉藤恵那志田彩良さんが演じていますが、こちらも立ち位置が難しい役どころかと感じました。

【 熊谷 】 オーディションで志田さんに出会った時、静かな中にある力強さ、凜とした感じに、僕らは斉藤さんらしさを感じましたね。斉藤さんは一歩引きながらも、リンと野クルの3人をしっかりと見守っているんで。

【 岩倉 】 原作の斉藤さんから感じる、他のメンバーよりも若干都会的なイメージというのも、彼女に合っていますね。

◆「結果はほぼ100点」。野外ロケがここまで成功したわけは…

ーー キャストが決定し、冬からはさっそく撮影に入ったわけですが、何が一番大変でしたか?

【 熊谷 】 やはり天候との戦いですね。学校のセットは、原作の本栖高校のモデルにもなった山梨県身延町の廃校(旧下部中学校)をそのまま使用しましたが、ほかはほぼ屋外ロケ。現場の撮影チームに言わせると、「こんなにオープン撮影が多い企画は、なかなかないです」とずっと言われていました(笑)。撮影期間も短かったですし、こちらとしては、原作に出てくるキャンプ場や景色、狙えるところはすべて狙いたいのに、高地は天候も変わりやすい。天気予報にらめっこしながら、撮影日も二転三転してかなりスケジュールを入れ替えながら撮影していきました。

【 岩倉 】 でも、結果はほぼ100点だったですね、今回は。ふつうは絶対にこんなに上手くいかないですよ(笑)。

【 熊谷 】 うーん、100点というよりは、無理矢理100点にさせた、という言い方のほうが、ある意味正しいかもしれないです(笑)。今では笑い話ですけど、撮影初日からアクシデントがありまして。

ーー 天候ですか?

【 熊谷 】 はい。初日は第1話に登場した本栖湖の浩庵キャンプ場から始める予定だったんですが、当日、いきなり雪が降りまして。標高差があるから下のほうはまったく無事なんですが、現地は雪。初日にいきなり撮影場所の大幅修正というジョーカーを切ってしまいました(笑)。2話・3話に出てくる、ふもとっぱらキャンプ場(静岡県富士宮市)には、僕も富士山からの日の出が観たいがために4回くらいロケハンに行ったんですが、4回ともお日様が出てくれなくて。撮影日も「もうここしかない」というタイミングだったので、とてもハラハラしたんですが……当日は見事に晴れてくれた。カメラマンと大喜びしましたね。

【 藤野 】 そう考えると怖い撮影でしたよね、すべてが(苦笑)。

【 熊谷 】 もちろん、キャストの皆さんも寒さとの戦いで。一番キャンプ場でのロケが多かった福原さんも、服の中にカイロを貼れるだけ貼って挑んでくれていました。

ーー 鼻の頭やほっぺたが寒さで赤くなっていたり、冬キャンプの空気感がキャストさんの表情からもしっかり伝わってきました。それが実写ならではの強さなんですね。

【 熊谷 】 そうなんですよ。福原さんの寒そうな顔は、もちろん狙ってメイクさんが作ってくれていますが、5話の高ボッチ高原で夜景を観ているシーンなどは、風があまりにも冷たくて、福原さんも目がしっかり開けられなかったんですね。どんどん瞳がウルウルしていく様子が、本当にリアルに撮れていた。現場の空気があったからこそ出てきた、素晴らしい表情でしたね。

ーー キャンプ飯を実際に再現するのも大変だったのでは?

【 熊谷 】 そうですね。食は『ゆるキャン△』のとても大事な要素なので、フードスタイリストさんも事前に屋外で料理して検証してから、現場に来てもらい、作っていました。難しかったのは、出すタイミングですね。ガスコンロもアウトドア用ですし、冬のキャンプ地なので事前検証よりも冷めていく時間も短いんです。湯気がたって美味しそうに見えるタイミングで出さなければいけないので、コントロールはしづらかったと思います。

【 岩倉 】 でも外で食べるキャンプ飯は、本当に美味しくて。

【 藤野 】 撮影が終わると、スタッフがみんな順番待ちで群がってましたよね(笑)。しかし、いま振り返ると……ほんとに現場は大変でしたよね。こうして原作を大切に作っていきましたが、せっかくのドラマ化なので、僕らとしてのオリジナリティも出したかった。3話では声だけでしたが、8話、11話では、ソロキャンパーとして有名な芸人のヒロシさんにも登場していただけて、ドラマならではのリアルさ、面白さも出せたのではないかと思います。

【 熊谷 】 舞台となった身延町の皆さんもすごく協力的で、僕らも撮影がしやすかったですしね。実は、今も学校に組んだセットは、図書室とか野クルの部室をそのままにしているんです。2月の頭には学校を保存する五条ヶ丘活性化推進協議会の皆さんが、“本栖高校授業参観日”という名目で一般の方にもセットを公開してくれたんです。その時に担当の方から、「実写化で初めて『ゆるキャン△』を知って、ここに来た方もいらっしゃった」と伺って、とても嬉しかったです。

◆いよいよ放送終盤。“飯テロキャンプ飯もスケールアップ!?

ーー 漫画、アニメファンだけでなく、ドラマも『ゆるキャン△』の新しいファン層の獲得と地域活性化に貢献されているんですね。

【 岩倉 】 そう感じていただけたら嬉しいですね。あとこのドラマでは、僕自身にも嬉しいことがありました。僕はもともとキャンプ好きではなかったのですが、今では影響されて焚き火台を買い、ドラマで『ゆるキャン△』のファンになった娘と一緒に自宅で焼き芋を作って、その写真をお二人(藤野さん、熊谷さん)に送って自慢したりして(笑)。

【 熊谷 】・【 藤野 】 (笑)。

【 岩倉 】 娘は小学校2年生なんですけど、すごく『ゆるキャン△』を楽しんで観てくれています。まさに昨日も奥さんと娘が、劇中に出てくるスープパスタを作ってました。それが非常に嬉しくて。初めて自分の仕事が家族に潤いを与えられたなと(笑)。

【 藤野 】 それは、めちゃくちゃ嬉しいですね。

【 岩倉 】 アウトドアって始める前はすごく大変そうなイメージがあるじゃないですか。でもそこさえ乗り越えたら、キャンプがコミュニケーションの一つになることがわかるから、それはすごく素敵なことだと思います。『ゆるキャン△』は小学生でも楽しめる作品なので、もっと多くのご家庭に届いて、親子で観てもらえたら嬉しいです。

ーー そんな広い世代に愛されるドラマ版『ゆるキャン△』も、テレビシリーズ放送がいよいよ終盤となりました。見どころを伺ってもよろしいですか?

【 藤野 】 お話は、いよいよクリキャン(クリスマスキャンプ)に向かって初めて、リンと野クルの3人と斉藤さん、鳥羽先生とメインキャストが全員集合します。キャンプ飯では、なんといっても豪華なすき焼きが登場しますし、深夜の視聴者の皆さんには、ある意味拷問じゃないかと思います(笑)。どういう方向にリンやなでしこたちが向かうのかを、最後まで見届けていただきたいですね。

【 熊谷 】 リンが初めてグルキャンを体験しますからね。みんながワイワイしている中にいるリンの気持ちの揺れ具合も、今までにない感じになっていると思うので、そこはぜひ観てもらいたいです。

【 岩倉 】 観た方が「何かやってみよう、行動してみよう」と思ってくれたらいいなと思います。便利な世の中だからこそ、あえて労を惜しまず何かをすることで、得難いものが返ってくる。その一歩目を踏み出す元気を、ドラマ『ゆるキャン△』から受け取ってもらえたら、作った甲斐があるなと思います。

(c)ドラマ「ゆるキャン△」製作委員会
(c)あfろ芳文社

ゆるキャン△』キャスティングの妙、渾身の野外ロケで“化けた”実写ドラマ版。制作陣がこだわった「原作再現」の方法論とは?は、WHAT's IN? tokyoへ。
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掲載:M-ON! Press