飛行機に乗る時にはどの国でも空港で厳しい保安検査が行われているが、中国では地下鉄などの鉄道や長距離バスに乗る時にも荷物のX線検査が必要で、普段から厳しいチェックが行われている。高速鉄道乗車券を購入するには身分証を提示するなどの実名制が採用されており、こうした中国の実情と比べると、日本の公共交通機関の保安検査はかなり緩く映るようだ。

 中国メディアの新華網は9日、日本は公共交通機関の保安検査システムは「遅れている」と指摘する記事を掲載した。これまで治安が良すぎて、安全対策が「ガラパゴス化」してしまったと主張している。

 記事はまず、カルロス・ゴーン氏の「海外逃亡劇」に言及。新幹線で東京から大阪に移動し、そこから飛行場まで行き、プライベートジェット機で海外に脱出したという事実は、日本はもとより「世界を震撼」させた。監視カメラが国中に張り巡らされている中国ではもちろん、日本以外のほとんどの国ではできない荒業だったのではないだろうか。記事は、「保安検査や安全対策の弱さを露呈してしまった」と指摘している。

 そのうえで記事は、日本の交通機関がいかに「安全対策においてガラパゴス化」しているかを紹介。交通機関を利用する際の「保安検査は簡単というよりも、無い」と指摘。地下鉄では警備員を見かけることもなく、新幹線は実名制ではないので、誰でも乗れてしまうと不安を示した。もちろん中国のような荷物のX線検査もない。

 日本でもこれまで全く事件が起きなかったわけではなく、鉄道も安全対策として駅構内や客室内への防犯カメラを導入し、乗務員らが使うための護身用の盾や催涙スプレーなども設置しているという。

 利便性を優先させるか、治安を重視するかは判断の別れるところだが、中国は治安を優先させているということであり、逆を返せばそれだけ危険性が隠れているとも言えるだろう。とはいえ、日本も東京五輪開催に当たっては保安検査を強化していく必要があるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本社会の安全対策はガラパゴス化、これは「治安が良すぎるからだ!」=中国報道