新型コロナウイルスに「正露丸が効く」という真偽不明の情報がSNSに投稿され物議を醸している。これを受けて正露丸を製造する大幸薬品は、「下痢止めのお薬」だとコメントした。


新型コロナウイルスに関する様々な情報がある中、Twitterには「新型コロナウイルス正露丸が効く。正露丸の主成分がコロナウイルスの外膜タンパク質(envelope)を破壊する」というツイートが投稿されている。その根拠として、「『ウイルス』の存在が不明だった時代、また抗生物質が開発される前は、クレオソートの皮下注射で肺炎治療をしていた」と1915年に発行された資料を引用している。また、その後も「正露丸主成分は、AIDSをもたらすhiv(ヒト免疫不全ウイルス)も破壊します」と投稿している。


この投稿には、デマではないかという指摘が多数。「『効く』という表現では、大半の人は『新型コロナウイルス感染症に対して有効性がある』と解釈する」、「『主成分が薬理的にコロナウイルスを失活できる』ということと、『コロナウイルス感染症に有効』だということには天と地の開きがあり、不適当」といった意見が寄せられている。


大幸薬品は、「新型コロナウイルス正露丸が効く」という情報についてTwitterで見解を求められ回答。「正露丸は下痢止めのお薬ですので、定められた用途以外の使い方はお控えいただけますと幸いです」とした。HIVに関する投稿の後にも、正露丸の効能は、「軟便、下痢、食あたり、水あたり、はき下し、くだり腹、消化不良による下痢、むし歯痛(※むし歯痛に対する効能は丸剤のみ)」とツイート。服用は、定められた用法や用量を必ず守るよう呼びかけている。


画像は大幸薬品ホームページのスクリーンショット