公明党の山口那津男代表 公明党山口那津男代表は2011年5月27日ニコニコ動画の討論番組「山本一太の直滑降ストリーム」に出演。民主党政権による外交政策で、沖縄の普天間基地が固定化してしまう恐れがあることに対し、「断じて許すことはできない」と強く批判した。

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 以下、番組での山本氏と山口氏のやりとりを全文、書き起こして紹介する。

山本一太参議院議員(以下、山本): (山口代表は)中学に行って、ブラスバンドをやっていた。私は「山口代表は音楽をやっていたんだろうな」と思っていた。実は私も種類は違うがロックバンドのボーカルをずっとやっていた。演説と音楽って結構関係があると勝手に思っている。山口代表は常に物腰がやわらかくてソフトな語り口調で決していばらない。そういうスタイルだが、極めて雄弁家で、党首討論で菅総理に激しく迫っていくときの言葉の使い方も勉強になる。リズムの取り方がきっと何か楽器をやっていたんじゃないかと思っていたが、まさかトロンボーンだとは思ってなかった。不躾な質問だが、あちこちから山口代表は、カラオケに行ってもすごく歌が上手だと聞く。どういう歌を歌われるのか。

公明党山口那津男代表(以下、山口): フランク永井のムード歌謡が好き。

山本: たとえばフランク永井で言うと――。

山口: 「おまえに」とか、もっと昔で言うと「有楽町で逢いましょう」とか、「君恋し」とかそういう往年のロマンティックなゆったりした曲が好き。ここで歌いましょうか。

山本: 今日は政治の話に集中したいので、いつかまたもう一度「直滑降ストリーム」に出ていただく時には、歌の特集やりたいと思う。

 山口代表は水戸一高に行かれ、いろんな経験した。山口代表のホームページに掲載されたライフストーリーを読んで、私は非常に印象的だったのが、あるとき水戸一高で高校生がつくった、沖縄問題をとりあげた「沖縄の裁判」というオリジナル演劇があった。劇中で興奮した役者の杖が折れて会場に飛んだ。
   
山口: 折りたたみ式の傘で机を叩くシーンがあった。その柄の先が飛んでしまって、会場の人たちのもとに飛び込んだ。「キャー」「危ない」と、会場が沸いた。そうしたら飛ばした本人が「沖縄の危険はこんなもんじゃないんだ!」と即興で叫んだ。そしたらみんなびっくりしちゃって。一瞬間があった後に「ワー」と大拍手が起きた。その即興性と沖縄の人たちが置かれる米軍基地のもとでいろんな事件や、事故が起きる緊迫感が完璧に表現できた。伝わるものがあった。これで演劇としては大成功だった。私は端で紙を持ちながら進行係をやっていた。

山本: せっかくプライベートの話もいろいろとしていただいたので――このニコニコ動画のシステムがすごいなと思うのが、何万人が、山口代表との対談を見に来ている方々がその場で世論調査ができる。まず4択で世論調査をしたいと思う。皆さんはここまでの放送を見て、山口代表のイメージをどう感じるか。「1.ソフトな紳士、2.戦う野党の党首、3.クールな知性派、4.意外とそそっかしかったりして」。

 結果が出るまで、外交の話を始めたい。山口代表もそうですし、私も委員会等々の質疑で何度も民主党政権、当時の鳩山政権に確認をし、さらに菅政権に確認をしてきたのは、沖縄の普天間基地問題。さっきも沖縄裁判の話じゃないんですけれど、沖縄の人たちの苦しみを考えたら、まさか普天間基地固定化という最悪のシナリオだけはないだろうと(思っていた)。しかし、確か先日の委員会で北沢防衛大臣が、実質的に日米で合意した2014年に(普天間基地の移設は)できないと。これは沖縄の普天間基地の固定化という最悪なシナリオだと思うのだが、これについては山口代表どのようにご覧になっているか。

山口: これは散々警告をしてきたテーマだったはず。普天間基地のそばでヘリコプターが墜落した。沖縄国際大学の現場を私も見ました。あれがもし市街地の上だったら大変なことになった。この普天間基地の危険を取り除くというのが出発点だ。しかし移転するといっても、適地が見つからない。出ては潰れ、出ては潰れしながら、沖縄の県民の皆さんが同じ県民が危険にさらされていることを放っておくことができないという苦渋の決断というか、そういう中で「辺野古」という場所が選ばれた。それに向けてどうするかという合意が沖縄県民の皆さんの理解をいただきながら、ようやくその方向になった。それにも関わらずこれを否定して、そして問題の原点である普天間基地の固定化につながってはいけないと警告してきたのに、あろうことか恐れていたことになってしまった。

 結局、沖縄の県民の皆さんの反対の意思を煽り立てて、沖縄の県民の皆さんは期待を抱いた。選挙の前とその後とずっと期待を煽ってきた。しかし、それを裏切るかのように、自ら掲げた道を断念。元の木阿弥の辺野古に合意しなおして、そしてこれが実現できず。普天間の固定化に繋がろうとして、そこから先の道が見出せないという、まさに最悪の結果だった。そういう進め方といい、結論といい、断じて許すことはできない。

山本: まったくおっしゃる通りだが、さらに民主党外交の特徴である戦略なき外交について話をうかがわなくてはならないのが――アンケート結果が出た。どんな感じか。

ニコニコ動画七尾功記者: ソフトな紳士43.4%、戦う野党の党首13.5%、クールな知性派25.6%、意外とそそっかしい17.5%。一番多いのは、ソフトな紳士43.4%。次がクールな知性派25.6%。

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http://live.nicovideo.jp/watch/lv50945883?ref=news#10:01

(丹羽一臣、土井大輔、岩本義和、西川真帆、中村真里江、松本圭司

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