
3月8日より配信スタートしたドラマ「中3、冬、逃亡中。」(dTV チャンネル)で、中学生3年生の少年・翔太を演じている藤原大祐。翔太は虐待に耐えかね、両親を殺して逃亡中に、偶然、壇蜜演じる孤独な女性・花菜と出会い、彼女に保護されるという物語。まるで野生児のような翔太が少しづつ心を開いていく…という難しい役どころに挑戦した。
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藤原は2019年から事務所に所属し、そこから演技のレッスンを始めたばかりの16歳だが、1月からは栄光ゼミナールのCM「受験は戦略だ。中学生編」に出演、3月からはドラマがスタートという驚異の新人俳優だ。
■ 芝居のレッスンを見学して芸能界に興味を持った
――スカウトされるまで芸能界に興味はなかったと聞きました。でも、周囲から勧められたのでは?
小さいころから言われてました(笑)。友達にも「いつデビューするの?」って言われて。自分自身は当時あまり興味もなかったので、「いやいや無理でしょ」って答えてました。
――それでスカウトをきっかけに、今の事務所の芝居のレッスンを見学してから興味を持ったんですよね?
そうです。それが2019年の6月ぐらいなので、「中3、冬、逃亡中。」を撮っている時はまだ1年経っていなかったですね。僕が演じた翔太は僕と正反対の性格だったので、新しい人生を生きられて楽しかったです。
――真逆の性格だと想像がつかないところもあったのでは?
逆に、自分がしないようなことをするんじゃないかと思ったので、想像はしやすかったです。ただ、自分じゃない誰かを演じることはできないと思うので、自分の中にある引き出しで翔太に近いものを集めて、翔太像を作りました。
例えば、翔太って人と目を合わせたくないような性格だから、自分の場合はどういう時に目を合わせたくないかな?と考えたりしました。それで翔太には、こういう気持ちが根本にあるんだなと思って、どうしてそんな気持ちを持つようになったのかを脚本から探したりしました。
■ 監督にジャックナイフと呼ばれていたらしい
――第1話では、逃亡して腹を空かせた翔太が食べ物をむさぼり食うシーンがあり、そこから彼が過ごして来た日々を想像することができたのですが、ああいった動きは監督さんと相談しながらでしたか?
あれは自分で考えてやりました。そのシーンから翔太の生活を想像していただけたのは、とてもうれしいです。脚本に「ゴミをあさる」というト書きはあったのですが、やりかたや食べ方は書かれてなかったので、自分で考えて、ペッてツバを吐いたり、スプーンの持ち方もああいう感じにしたんです。
ありがたいことに、監督さんにもいろいろ提案させてもらえる撮影現場で、今回は普通のマンションで撮影していたので、カメラアングルでスタッフさんが「こうしたらどうですか?」って提案したら、それが採用されたこともありました。
――現場での藤原さんは結構役に入っていたと、壇蜜さんがコメントされていましたが、それはいろいろ考えていたから?
役的にあまり話さない方がいいなと思ったので、前半はあまり話しませんでした。翔太の顔は口角が落ちている方がいいと思ったんですけど、僕、結構笑っちゃう性格だから笑わないようにしてたんです。楽屋とかで笑っちゃうと、それが表情に出ちゃうかな?と思ったので。でも、ストーリーの中で二人はだんだん仲良くなっていくので、演じる壇蜜さんとも話したいなと思っていたら、壇蜜さんの方から話し掛けてくださいました。
――自発的な考えを持てることはすごいです。
でも、塩梅が大切ですよね。僕、今作の(高橋)泉監督にジャックナイフと呼ばれていたらしいんです(笑)。撮影が終わった後に教えていただいたんですけど、鋭い質問をするからそう呼ばれていたそうで、すごくうれしいなと思いました。
■ 役者も作品を作ることができる職業
――クリエーターの目線もお持ちなんですよね。もともと何かを作ったりすることが好きなんですか?
はい。小さいころ、発明家になりたかったんです。0から1を作る人になりたいなってずっと思っていました。超概念的哲学になってしまいますが、光を作った人ってすごいなと思ったり。それで役者も作品を作ることができる職業なので、やってみたいなと思ったんです。だから、芝居経験のない16歳ですが、提案してみようかな?と思って、意見を言わせていただきました。
――今回の作品は全4話ですが、どこに注目するとさらに楽しめますか?
花菜さんが翔太を守っているように見えますが、途中からどっちがどっちを守っているのか分からなくなると思います。それから、タイトルにもある「逃亡」についての概念ですね。例えば、テスト勉強から逃げて遊びに行くのはよくないけれど、場合によっては逃げる方が気分転換になっていいこともありますよね。
全ての「逃亡」が悪ではなくて、逃げるのが正義ということもあるのではないかという大きなテーマが今作にはある気がしているので、社会的概念を覆される作品でもあると思います。
――いろいろ臆さずにトライできるタイプだとお見受けました。2月の「15th Anniversary SUPER HANDSOME LOVE『JUMP↑ with YOU』」に初出演された際も堂々としてましたね。
緊張するかな?と思ってたんですけど、しなかったです(笑)。でも、仲間がいたからだと思います。一人だったら緊張しますよ!
――いろいろな先輩と共演されてましたが、何かアドバイスをもらったりしましたか?
神木隆之介さんから、「大祐は純粋だけど、素晴らしいトゲがあって、そのトゲは素晴らしいものだから、絶対になくさないで、誰よりも大きく真っすぐ育ってほしい」と言われました!
――ジャックナイフですからね!(笑)。今回は翔太という難しい役を経験されましたが、今後やってみたい役どころは?
今回は味のある渋い役をやらせていただけて、めちゃくちゃうれしかったです。16歳でこういう役に出会えることは少ないと思うので。でも、次は青春キラキラ系の役もやってみたいです! いろんな顔をお届けしたいと思っています。(ザテレビジョン・取材・文=及川静)

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