新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染者が全国に広がる中、各自治体は対応に追われています。

愛媛県では、県のウェブサイト上にコロナウイルスに関する情報をまとめたページを開設。

2020年3月6日には、『愛媛県内における新型コロナウイルス感染症の状況等について』が掲載され、その内容が愛媛県民以外の多くの人々からも反響を呼んでいます。

「『最後に』だけでも読んでほしい」の声

反響を呼んでいるのは、『愛媛県内における新型コロナウイルス感染症の状況等について』の最後に記された『5.最後に』の部分。

「『最後に』だけでも読んでほしい」「これは全国民が覚えておくべきこと」と人々の胸を打った、その内容がコチラです。

 ウイルス感染は、ご本人の意思で行われたものではありません。また、ダイヤモンド・プリンセス号からの下船者や、感染者の職場の方々など検査を実施した方は、国の基準で検査が必要な方だけでなく、県の独自の検査に快く応じていただいた方も含まれます。

 未知のウイルスで姿が見えないため、県民の皆様にとって不安や恐れの気持ちはあろうかと思いますが、こうした方々やその関係者の方々も、我々と同じ普通の県民であることに一切変わりはありません。

 なにとぞ、こうした方々やその関係者を、地域社会や人の輪から遠ざけるようなことはせず、むしろ「大変だったね」と声をかけていただきたいと思います。

 

 私たちが西日本豪雨災害で学んだのは、人の絆の強さであり、大切さです。ウイルスを過度に恐れ、地域で共に生きる方々を攻撃・排除したり、傷つけたりするのではなく、むしろ今こそ他人を思いやり、皆で手を取り合って、この不安と危機に対処していきましょう。

 今後とも、検査結果の公表、迅速な対応を行っていく所存でありますので、皆さんのご理解とご協力を切にお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症に関する情報 ーより引用

連日のように新たな感染者を報じるニュースが流れる中、多くの人が収束の気配が見えない現状に強い不安感を抱いていることでしょう。

しかし、こんな時だからこそお互いに思いやることの大切さを説いた愛媛県の対応に、称賛の声が相次いで寄せられています。

・ほかの項目も分かりやすくまとまっているし、何より最後の文章が素晴らしい!

・マスコミも、不安をあおる情報だけでなく、人を安心させるようなことを最後に伝えるべきでは。

愛媛県民として、誇らしいです。

愛媛県民以外も、多くの人が覚えておくべき言葉。

手洗いうがいはもちろん、一人ひとりが感染を防ぐための十分な対策を心がける必要があります。

しかし物資の買い占めや差別など、強い不安感からくるネガティブな行動は、新たな不安を生みだしかねません。

「ウイルスを過度に恐れ、地域で共に生きる方々を攻撃・排除したり、傷つけたりするのではなく、むしろ今こそ他人を思いやり、皆で手を取り合うべき」という愛媛県の声明に、ハッとさせられた人は多いはずです。


[文・構成/grape編集部]

出典
愛媛県
※写真はイメージ