生涯でがんと診断される確率は、男女問わず日本人2人に1人といわれる現代。がんの原因は、遺伝的要素に加え、喫煙、飲酒、食生活など、普段の生活習慣の要因も多いとされている。「自分には関係ない病気」から「誰でもなりうる病気」と考えを切り替える必要があるのかもしれない。「教えて!goo」にも、「がん保険を検討しています 50代の夫婦です」という声が寄せられるなど、その関心の高さが伺える。最近は医療の発達に伴い生存率は上昇傾向にあるため、備えを検討したいもの。そこで今回は、「ナビナビ保険」責任者の石田直樹さんに、がん保険について教えてもらうことにした。

■早期に発見して治療することが大切

“がん=治療が難しい病気”と思われがちだが、現在は早期発見・早期治療により高い生存率が期待されている。

「特に女性特有の乳がんは、下表のように30代後半から罹患数(りかんすう)も急増し、その数は年を追うごとに増加傾向にあります。しかし乳がんの場合、60%以上はセルフチェックにより発見されているといわれています。まずはセルフチェックの仕方を確認し、習慣づけることをおすすめします」(石田さん)

「罹患数」とは、対象集団の一定期間におけるがんの発生率である。


「特に、下記の『乳がんのリスクが高いといわれる人の特徴』に該当する場合は、セルフチェックを習慣化することが望ましいでしょう」(石田さん)


セルフチェックをはじめ定期健診を受けるなど、まずは自分の体に関心をもつことが大切だろう。

■がん保険は、がんの特徴をカバーできる仕組みになっている

最近は医療の発達により、がんの治療法も向上したといわれている。しかし、どれだけ費用がかかるのか不安なところである。

「がんは治療が長引きやすく、転移や再発のリスクも高い病気といえます。健康なうちに『がん保険』への加入をしっかり検討することが大切になってきます」(石田さん)

保険なら「医療保険」に加入していれば大丈夫では。

「もちろんがんにも、医療保険は適用されます。しかしがん保険は、がん治療の特徴をカバーできる仕組みになっているため、医療保険とがん保険では保障内容に違いがあります」(石田さん)


※商品により異なります

がん保険ならではの手厚いサポートがあるということだ。

「がんと診断されたら『一時金』と呼ばれる手厚い保障が受けられることも、医療保険にはない大きな特徴です。一時金の使い道には制限がないため、個室に入院した際の差額ベッド代、治療により髪の毛が抜けやすくなったときのウィッグ、乳がんで乳房の摘出手術により特殊な下着が必要になった場合のコスト、先進医療の治療費の一部に当てるなど、個人の不安や悩みを解消するための費用として使うこともできます」(石田さん)

治療費以外の出費や、そもそも高額な先進医療の費用として使えるのは心強い。

■医療保険とがん保険どちらも加入が必要?

となれば、医療保険とがん保険の両方に加入したほうがよいのだろうか。毎月支払う保険料も考えると悩ましいところ。

「実際に加入すべきかどうかは、がんのリスクが高い人の特徴に当てはまっているか、リスクに対しての考え方など、それぞれです。がんは20~30代の若年層にも、身近な病気であり、再発の不安・経済的な不安が解消されづらい病気です。健康なうちから万が一のリスクに対して、きちんと考え、しっかり備えることが大切といえます」(石田さん)

いつ、どんなものに、どれだけ費用がかかるかわからないときのための保険。さまざまなリスクと毎月支払う保険料のバランスを考えて、自分にとっての最適な保険選びを検討してみてはいかがだろう。

●専門家プロフィール:石田 直樹(いしだ なおき
エイチームフィナジーが運用する「ナビナビ保険」の責任者。AFP資格、TLC(生保協会認定FP)資格所有。ソニー生命、東京海上日動あんしん生命保険、保険代理店等、保険業界を28年間勤務。支社長や管理職を経験、200回以上のセミナーや研修講師の登壇経験あり。その知識を活かし「もっと多くの人に保険の必要性を正しく理解してもらいたい」という思いを胸に、ナビナビ保険の事業立ち上げメンバーとして異業種のIT企業に転職し、現在に至る。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

がんと診断される確率は1/2……がん保険の必要性を保険のプロに聞いてみた