新型コロナウイルスの感染拡大を受け、韓国の教育省は新学期を3月2日から9日に延期、その後さらに23日までに延期したが、17日になって4月6日まで延期することを発表した。休校が5週間続くのは韓国史上初めてのことだ。

ちなみに、韓国教員団体総連合会のハ・ユンス会長は先月24日に新型コロナウイルスの陽性診断を受けているが、先に陽性と診断された夫人の友人が、集団感染のクラスタとなったキリスト教新興宗教「新天地」の信者であることが明らかになっている。

一方、北朝鮮は2月中旬までの冬休みを3月末まで延期する措置を取った。そして今度は新学期を2週間延期して4月15日まで休みを延長することが決まったと、デイリーNKの内部情報筋が伝えている。

(参考記事:北朝鮮でも休校命令、3月末まで冬休み延長

情報筋によると、内閣教育省は16日、国内のすべての学校に「新学期を4月15日まで遅らせる」との緊急通知を行った。「人と人との接触禁止が新型コロナウイルス拡散防止の根本的最善策」とのことだ。

この「社会的距離の確保」(Social distancing)だが、世界保健機関は、咳やくしゃみをしている人から少なくとも1メートルの距離を置くことを推奨している。また、米国の疾病対策センター(CDC)は、他人との距離が6フィート(約1.82メートル)を保てないならば、公共の場所に行くことを避けるようアドバイスしている。

ところで、新学期となった4月15日は、金日成主席の生誕記念日の太陽節に当たる。情報筋は「聖なる太陽節の前に伝染病に打ち勝ち、国家的な大祝典で迎えようという意味が含まれている」と説明した。だが、太陽節当日は祝日で、様々な政治的行事も行われるため、実際の新学期開始は17日になるだろうと情報筋は見ている。

休みの期間中、生徒たちに対しては「自宅で復習せよ」「外出は自粛せよ」との指示が下された。平壌所在の大学では「平壌出身者は自宅で、地方出身者は寄宿舎にとどまって復習すること」との指針が下されている。これは、移動禁止の意味合いも含む。

新学期の延期について、北朝鮮国民からは疑問の声が上がっている。

「報道されたように本当に一人も感染者がいないのならば、なぜ二度に渡って新学期を延期するのか」
「よその国だけではなく、わが国(北朝鮮)も危ないようだ」

(参考記事:「焼くには数が多すぎる」北朝鮮軍、新型コロナで180人死亡の衝撃

「こんなことはいまだかつてなかった」「それほど深刻だということだ」と語った情報筋は、生活に困る人も現れていると伝えた。

移動禁止令が出ているため、商売ができない状態が続いており、「密輸も移動もできない、このまま座して餓死せよということなのか」「伝染病で死ぬのを防ごうとして、飢えて死ぬ人が多くなりそうだ」との声が上がっているとのことだ。

(参考記事:「事実を隠せば国民の不満が爆発」金正恩、新型コロナで危機感

金日成総合大学(同大学HP)