2020年秋以降、最終的な実証実験へ。

東急とJR東日本ジェイアール東日本企画は2020年3月17日(火)、静岡県の伊豆地方を中心に実施してきた二次交通統合型サービス「観光型MaaS“Izuko”」の、実証実験第2フェーズの結果を発表しました。

MaaS(マース)は「Mobility as a Service」の略で、様々な移動(モビリティ)をひとつのサービスとして捉え、利用者に提供する概念です。

当実験の第1フェーズは、スマートフォン用の無料専用アプリ「Izuko(イズコ)」が導入されました。2019年4月から6月まで伊豆地方を対象に、公共交通機関や施設の検索、予約、アプリ内で発行されるデジタルフリーパスの購入などが可能でした。

第2フェーズは、2019年12月から2020年3月10日にかけて実施。第1フェーズで浮き彫りになった課題を解決するとともに、利用時の操作性向上やエリア拡大などを推進したといいます。デジタルチケットは、第1フェーズ(1045枚)の約5倍にあたる5121枚が販売されました。国内の観光型MaaSの事例のなかでは「圧倒的な利用規模」といいます。

3社によると、JR伊東線を含むデジタルフリーパス各種が特に人気を集め、また、利用できる観光施設が増えたことにより、デジタルパスの販売数が増加。下田市内のAIオンデマンド乗合交通は第2フェーズから有料化(1日乗り放題400円)したものの、利用客数や1人あたりの乗車回数は1.3倍前後に増えています。

しかし一方で、商品の事前購入対応や、決済方法の多様化、観光客ニーズを踏まえた商品設計の必要性や周遊範囲の東伊豆への偏りなど、解決すべき課題も多く残っているとしており、今後、2回の実証実験の結果を踏まえ、最終的な実証実験を2020年秋以降に展開する計画です。

「Izuko」のウェブ画面(2019年11月20日、大藤碩哉撮影)。