タレントの小倉優子さんが、歯科医師の夫と離婚危機にあると報じられました。前夫の不倫による離婚を乗り越え、2度目の結婚生活を幸せに送っていたはずの小倉さんに一体何が起こったのでしょうか。男女問題に詳しい堀井亜生弁護士が見解を示します。

料理上手な小倉さんがなぜ?

 小倉さんは、2011年にヘアメークアーティストの男性と結婚。2児に恵まれましたが2017年に離婚し、翌年12月に現在の夫と交際半年で結婚しました。

 前夫は小倉さんの妊娠中に浮気をしていて、それが離婚の原因になったといわれています。小倉さんは現在も妊娠中ですが、夫はそれにもかかわらず家を出ており、弁護士を通じて、離婚と、2人の子どもとの養子縁組解消を求めていると報じられています。

 最初の離婚を経て幸せな家庭を築こうとしていたはずの小倉さんは、なぜ、このようなことになってしまったのでしょうか。

「ママタレ」としての地位を確立している小倉さんは、ブログやインスタグラムなどのSNSでプライベートについて積極的に発信しています。

 その中で特に目立つのは、料理の写真です。品数が多く、栄養バランスも考えられていそうで、彩りにも食器にも盛り付けにもこだわった料理ばかりです。小倉さんのきっちりとした性格と「完璧な妻」の姿が垣間見えます。一見、良いことのように思えますが、筆者はそこに離婚危機の原因があるのでは?と推測しています。

「完璧妻」と結婚した夫の本音

 美人で料理上手な奥さんであれば、夫婦関係はうまくいくと思いたくなるものですが、意外にもそうとは限りません。

 筆者が実際に受けた案件で、奥さんと別れたいと相談に来た男性がいました。奥さんはとても美人で美容への意識が高く、食べるものにも徹底的にこだわる人でした。奥さんが作るメニューは、オーガニック食材を使った豪華な盛り付けの料理ばかり。休みの日には知人を招いて手料理を振る舞うパーティーもしていました。

 男性は、そんな暮らしが息苦しくなったと話していました。「妻が毎日豪華な料理を作ってくれるのはありがたいんですが、僕はカツ丼が食べたい日もあるんです」と。

 離婚の話し合いをするため、男性の奥さんに筆者の事務所に来てもらい、お茶を出すと、奥さんは「このお茶はどんな水を使っているんですか? 私はこのお水しか飲めないんです」と言って、持参した高級そうなペットボトルの水を飲み始めました。

 この夫婦の例に限らず、夫婦のどちらかが完璧すぎると、相手が窮屈になってかえってうまくいかなくなってしまうことは多々あります。

 夫婦や家族というのは、毎日一緒に生活していくものです。数多くの夫婦の離婚を見てきた立場からすると、夫婦生活というのは多少、いいかげんな部分がある方がうまくいくものです。きっちりしたこと、正しいことだけでなく、だらしないもの、余分なものも共有していくのが、とても重要なことだと思います。

「完璧主義」同士ならうまくいく?

 もしかしたら、小倉さんもきっちりとした性格が原因になって、夫を窮屈な気持ちにさせてしまったのかもしれません。

 小倉さんは以前、テレビ番組で「前の夫に毎月花を贈ってもらっていた」と話したことがありました。別のテレビ番組では「(前夫に)毎日自分の好きなところを10個言わせていた」とも話していました。

「家事や子育てを、自分の決めた『形』の通りにきちんとこなしていけば幸せな家庭が手に入る」と考える性格のようで、前夫への要望も、夫婦であれば定期的に愛情を表現するのが当たり前だという、幸せの「形」にこだわった行動といえます。完璧主義の面があるのでしょう。

 小倉さんは、華やかな職業に就いていた前の夫に浮気された教訓を踏まえて、堅実そうな歯科医師の男性を次の夫に選んだのだと思います。しかし、一見タイプが違う2人の夫も、小倉さんの完璧ぶりに合わせることができないという点では共通していたのかもしれません。

 男性にも完璧主義の人はいます。そういう人同士で結婚をすれば、家の中でもお互いに毎日きちんと過ごすことができるようになり、うまくやっていくことができます。

 もし、小倉さんが、離婚してもママタレとして活動していきたいと考えているのであれば、小倉さんに似た性格の、きっちりとした「完璧夫」を探すことをおすすめします。

弁護士 堀井亜生

小倉優子さん(2019年6月、時事通信フォト)