3月14日に東京で桜の開花が発表され、今年もいよいよ桜シーズンが到来。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、東京都神奈川県などで公園や河川敷での宴会の自粛が呼びかけられ、各地で桜関連イベントが開催中止となるなど、お花見も自粛ムードが広がっている。例年通りのお花見が難しい一方で、人混みを避けて桜を楽しめるスポットや、感染防止の工夫や対策を施した花見サービスへ注目が集まっている。

【写真】ペアパラレルリフトでは桜の上を飛ぶような景色が楽しめる

■ 熱気球乗車&リフトで空からお花見

神奈川県相模原市のさがみ湖リゾート プレジャーフォレストは、春になると2500本におよぶ桜が咲き誇る。ここで楽しめるのが、空から桜を見下ろす熱気球乗車体験。起伏に富んだ地形に広がる桜を最高約10メートルの高さから5~10分ほど望むことができる。開催日は3月20日(金・祝)、21日(土)、28日(土)、29日(日)、4月4日(土)、5日(日)の予定。料金は大人2500円、子供(3歳~小学生以下)は2000円。4月5日までは600万球のイルミネーションも実施しており、光と桜との競演を満喫できる。

また、園内の乗り物「ペアパラレルリフト」からも、桜の上を飛ぶようなお花見が楽しめる。同施設は3月7日から営業を再開。担当者によると、「園内のアルコール消毒を定期的に行い、売店・食堂に消毒液を設置するなど感染予防策を強化しています」という。

■ 貸し切りクルーザーで目黒川の上から桜を満喫

都内有数の桜の名所である目黒川では、3月20日(金)から貸し切りオープンデッキクルーザー「目黒川お花見CHANDONクルーズ」の運航をスタートする。4kmにわたり約800本の桜が咲き誇る目黒川を90分間クルーズしながら、スパークリングワインや軽食を楽しめるプランだ。料金は平日便1万3000円、週末便1万6000円(いずれも1人あたり)。

今年は新型コロナウイルスの感染拡大から、乗合での運航は中止に。一方、貸し切り運航は例年最低7人からのところ、今年は人との距離を保つために4人から申し込みが可能となった。さらに食事もワンプレート料理ではなく個々に食べられるフィンガーフードに切り替えた特別プランとして実施。船内のアルコール消毒などの安全対策にも力を入れている。

「少人数に絞り安心してお花見をお楽しみいただけるよう、今年だけの特別プランをご用意しました。家族団らんや、ご友人との仲を深めるひと時としてお過ごしいただければ」(アニバーサリークルーズ担当者)

■ 日本庭園の桜と絶品料理を楽しむ「ホテル花見」

東京千代田区のホテルニューオータニ(東京)内には、加藤清正公の下屋敷、井伊家中屋敷、伏見宮邸として400年の歴史を持つ広大な日本庭園が広がる。ホテル利用者以外も散策可能なこの庭園では、開花時期をずらして咲く全19種類58本もの桜が楽しめる。6時から22時まで開園しており、例年人混みも少なくゆったりと桜が楽しめるという。

また、日本庭園内の石心亭や清泉亭、庭園に面したガーデンラウンジでは、食事とともに庭園の桜を見ることができる。石心亭をはじめ、館内のレストランやバーでは、桜をテーマに季節ならではのメニューを提供しており、味覚でも花見を堪能できるのが魅力だ。

「都会の喧騒から隔絶されたホテルならではの静謐な空間で、人混みを気にすることなく安心してゆったりとお花見をお愉しみいただけたら」(ホテルニューオータニ広報担当者)

■ 観光と花のプロが名所案内「お花見タクシー」

日本交通と第一園芸は、都内の桜名所を満喫できる観光タクシー「お花見タクシー2020」を3月20日(金)から4月10日(金)までの期間限定で運行。第一園芸が監修したお花見コースを、ガイド資格を持つ乗務員が案内しながら巡るというもので、人混みや場所取りを気にせず桜を満喫できるのが魅力だ。東京駅上野駅品川駅の3つのターミナル駅で発着する2時間コースの料金は1万280円(1台)。今年は2時間コースのお花見タクシー運行台数を最大30台まで増やし、より利用しやすくなっている。

横浜では三和交通3月15日(日)からお花見タクシーを運行中。こちらは2時間9400円(横浜コースの場合)で、みなとみらい、元町公園、三渓園などを巡る。東京西部や埼玉エリアでも運行中で、出発地を利用者に応じて設定できる。感染防止の点でも、乗務ごとの換気や車内エアコンを外気設定にするなどの取り組みを実施している。

■ どこでも360度満開の桜を!「お花見VR」

ウェザーニューズは、外出しなくても満開の桜が楽しめる「お花見 VR」をスマホアプリ「ウェザーニュース」上で提供。桜名所の360度動画をスマートフォンに表示し、VR(仮想現実)でお花見体験ができるサービスだ。スマートフォンで動画を再生すると、端末の動きに映像が連動し、動画内の風景を360度見渡せる。さらにVRゴーグルがあれば、自分がその桜名所にいるかのような臨場感ある感覚を味わうことができる。人気名所TOP10、東京夜桜編、日本三大桜編など8つのテーマで作成されており、32の名所、約50のVRが楽しめる。なお、360度動画はウェザーニュースウェブサイトでPCからも閲覧が可能だ。

ウェザーニューズによると、今年の桜の開花は東日本・西日本ともに例年よりも早くなるところが多く、関東では3月下旬から満開を迎える予想。レジャーシートを広げる普段の花見とは一味違う、ユニークな桜の楽しみ方に注目だ。(東京ウォーカー(全国版)・国分洋平)

日没後は熱気球からイルミネーションと桜を満喫できる