このほど英王室エリザベス女王の夫エディンバラフィリップ王配に、突如死亡のニュースが降って湧いた。SNSを中心に駆け巡ったこの知らせはもちろん“フェイクニュース”。英王室はメディアに対しフィリップ王配の容態が「これまでと特に変わりはない」ことを伝えたのだが、どうやらこの不謹慎なニュースが出回った裏には、王配本人が今からおよそ32年前に放ったある“失言”に関係があるようで…。

新型コロナウイルスの感染拡大は、引き続き世界各地でパニックを巻き起こしている。英国もその例外ではなく、イングランドスコットランドウェールズ、北アイルランドからなる英国全体の19日現在の感染症例数は3269件、死者は144名であることを「イングランド公衆衛生局(PHE、Public Health England)」が公表している。

そんななか英王室エリザベス女王は19日、感染者が密集するロンドンからウィンザーへと一時的に移動したことが明らかになった。2017年8月に公務から引退後は、ノーフォーク州サンドリンガム御用邸の一角、ウッドファーム・コテージで余生をのんびり過ごしている夫エディンバラ公フィリップ王配も、このほどヘリコプターで同地へ移動したことを『HELLO!』誌が報じた。

しかしある「WhatsApp」ユーザーが突如フィリップ王配死亡の偽ネタをネットで拡散したため、今週はTwitter上で“フィリップ王配”のワードが度々トレンド入りしてしまった。新型コロナウイルスは、高齢者が感染すると重篤化しやすいと言われているため、このニュースをにわかに信じる人が続出したのだが、英王室はその後英紙『Mirror』などに対し、フィリップ王配の容態は「これまでと特に変わりはない」ことを伝えている。

98歳と高齢のフィリップ王配には、過去にも度々死亡説が流れたことがあった。しかし1940年代を中心にスリランカマラリアが大流行した事実を「実はマラリアが人口増加をコントロールしていたんだ」などと表現するほど、かねてから世界の人口増加を懸念していた王配に、新型コロナウイルスの感染が拡大中のこのタイミングで不謹慎な死亡説が流れたのには、1988年に王配が『ドイツ通信社』の取材中に放ったとされるある“失言”と関係があるようだ。

英『The Guardian』『The Daily Telegraph』が過去に出版した引用集にも掲載されている、今から30年以上も前に王配が放った“失言”とは、次のようなものだったとされる。

「人口過剰問題に少しでも貢献したいからね、私が生まれ変わる時は、ぜひ“致死性ウイルス”にでもなって戻ってきたいものだよ。」

これまで数々の失言やブラックジョークで周りをヒヤヒヤさせてきたフィリップ王配、この時もおそらくTPOをわきまえない不謹慎な発言に不快な思いを抱く人は少なくなかったはず。しかし30年以上を経て、我々が新型コロナというウイルスを前に為す術もない現状に、「コロナはひょっとしてフィリップ王配の生まれ変わりか?」「フィリップは何もかもお見通しだった」とにわかに彼の死亡説を鵜呑みにしてしまう人々が続出したのであった。
(TechinsightJapan編集部 c.emma

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