日本ではユーチューバーが子どもたちに人気の職業となっており、人気ユーチューバーは非常に大きな影響力を持っている。中国にも網紅(ワンホン)と呼ばれるネットの有名人やインフルエンサーがおり、2018年の1年間に網紅がライブ配信したことで売れた商品の額は予測値で約1兆円にも上ったそうだ。中国メディアの今日頭条は17日、そんな網紅がヒットさせたのが「なんちゃって日本製品」だったとする記事を掲載した。「中国人はなぜ国産品に自信が持てないのか」と残念がっている。

 中国では、企業がSNSでのマーケティングを展開し、売上や知名度を向上させる方法がよく取られている。記事が注目したこの商品は、無糖を売りにしていて、体重や健康を気にする若い消費者を対象に「糖ゼロ、脂肪ゼロ、カロリーゼロ」をうたっている。

 そのうえで記事は、この商品が短期間で大ヒット商品となった主な理由は、商品名もパッケージも広告も「日本風」だったからだと分析。実際には日本とはまったく関係がないのだが、一見すると日本製品のように思えるデザインだ。

 しかし記事は、こうした「なんちゃって日本製品」を売りにした販売方法に疑問を呈している。これと似た売り出し方法は中国メーカーの「メイソウ」にも見られると記事は指摘。一見別の日本ブランドに酷似しているので、多くの中国人は日本メーカーだと信じて疑わず人気を呼び、「ユーザーが慣れた頃に中国ブランドだったと明かす」やり方で成功し、今ではすっかり中国で人気のブランドになっている。

 結果的にはどちらも中国人ユーザーに受け入れられているものの、「日本風」であることで消費者の心をつかんでいるということは、それだけ「国産品」に自信がないともいえる。記事は、日本ブランドに似せて売り出すというこのやり方は、スナックでもドリンクでも、化粧品でも同じだと指摘。もうこういう企業は出てほしくないと苦言を呈し、中国企業には「完全なオリジナルの製品を作り自信を持ってほしい」と呼び掛けている。

 日本らしさで消費者の心をつかんでいるということは、中国人がそれだけ日本製品を信用しているということだろう。また同時に、後からパクリだと分かっても質が悪くなければ気にしないわけで、パクリ製品に対して寛容な中国社会も垣間見られる。中国製品が、中国人自身に信用されるようになるまでには、まだ時間がかかるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

もうやめてくれ! 中国で流行する「なんちゃって日本製品」=中国報道