―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―


◆子供を追い詰める「環境」から救う蜘蛛の糸

 子供がインターネットで検索できるようになると、知識以外に、世の中にはいろんな場所や生き方があることを知り、「自分は何をしたいのか?」「自分はどこに身を置くべきか?」を自然と考えられるようになると思うのですね。

 インターネットに触れないと、普段触れるメディアテレビや雑誌などが中心になると思うのですが、そうするとタレントや歌手、プロスポーツ選手などテレビに出ている人の仕事が「普通」だと思ってしまう可能性があります。すると、「音楽で食っていきたい!」という人は、メジャーデビューを目指したりするのですが、インターネットが使えると世界には飲み屋の横で楽器を弾いてチップを貰う仕事があることもわかるので、メジャーデビュー以外に音楽で食っていく道を見つけられる可能性があります。

 音楽以外でも、仕事につなげる道を模索できたりします。今は縄跳びで食っているような人がいる時代ですから、例えば日本では大道芸人として食っていくのは難しいけど、海外だとサーカスや大道芸人という職業に就いている人の存在を知ることもできますよね。

 あと、世の中にはそもそも働かない人がいることを知ることができますし、そういう人を見てもなんとも思わない国が世の中には結構あることも知ることができます。そんなことを知るのはデメリットだと思うかもしれませんが、働くことに対する価値観が国によって違うということを知ると、ブラック企業で我慢して働くとかは減ると思いますし、そうすることで不幸な人が減るのは大事なことです。

 こんな感じで、インターネットは今いる自分の環境を把握できたりします。子供が知っている世界は家庭の中だけなので、自分の置かれている環境が普通だと考えがちです。でも、実際は違ったりしますよね。僕も小さい頃に「ウチは貧乏だ」と言われて育ったのですが、父親が公務員なので貧乏というほどではなかったと思うのですよ。ただ、当時は気軽に検索ができなかったので、言われたままにそう思い込んでいました。

 この程度ならまだいいのですが、世の中にはヤバイ親・学校・地域が当たり前のように存在していて、その環境を普通だと思ってしまうのは将来的に問題です。

 親のネグレクトも事件化しています。過去には、年頃の女のコが風俗でバイトするのが当たり前の場所があったり、そうした場所には違法薬物をやっている人も普通にいたりしました。

 そうした環境が普通だと思ってしまうことは問題でしかありません。でも、インターネットで調べれば自分が置かれている状況がおかしいことに気がつきますし、学校以外に相談できる場所があることも逃げる方法も知ることができます。

 学校でのいじめとかも親や先生に相談ができなくても、その他に相談ができる場所を知ることも、連絡をして逃げることもできます。インターネットがなかった時代は、図書館で本を読んで調べたりするというハードルがあったりしたので、行き詰まってしまった結果、自殺するパターンとか違法な仕事に手を出してしまうパターンもあったと思います。

 子供がインターネットに触れることのメリットは、そういった不幸を起こさないきっかけにもなるのではないかと思うのですよ。

ひろゆき
西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねるニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など

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