中国紙の環球時報は23日、中国で行われた新型コロナウイルス用遺伝子組換えワクチンの臨床実験に参加したボランティアらの体験を紹介した。取材は22日に行われた。
ワクチンは中国の陳薇(チェンウェイ)院士が率いる軍事科学院軍事医学研究院科学研究チームが開発したもので、16日から臨床実験段階に入った。
ボランティアに志願した理由について、今年36歳になる陳凱(チェン・カイ)さんは、「崇高な動機はない。普通の武漢市民の一人として、新型コロナウイルスの流行期間中、すでに自宅で50日以上隔離されている。流行の始め、武漢が悲惨な目に遭ってつらかった。その後、中国全土の人々と医療スタッフ助けてくれて感動した。そのため、ネット上で新型コロナウイルス用ワクチンの臨床実験ボランティアの募集を見た時、流行の抑制のために貢献したいと思い、すぐに応募した」と語った。
34歳の陳夢橋(チェン・モンチャオ)さんは、SNS上のボランティアトークルームで、臨床実験ボランティアの募集情報を知った。「私は比較的丈夫なので、すぐに応募した」と説明。16日の夜にネット上で応募し、2日もたたないうちに身体検査を受けるよう通知があった。19日に身体検査を受け、体重・身長の測定、喉の粘液や血液の検査を行い、病気にかかっていないか、体内にすでに抗体ができていないかなどを調べたという。陳夢橋さんは、「普通の身体検査とあまり変わらなかったが、8本分採血された。採血管はとても小さかった」と話した。
また、「ボランティアの選考はとても厳しく、ネット上で応募した友人は体重超過で不合格、またある女の子は体温が少し高かったために不合格となった」と説明。「3000人以上が応募したらしいが、最終的に残った第1期のワクチン接種ボランティアはたった100人余りだった」と話した。
記事によると、第1期の臨床実験の募集は108人で、ワクチンの接種量に応じて、低・中・高の3グループ(各36人)に分けられる。陳夢橋さんは「中」グループに入り、身体検査の翌日にワクチン接種を受けた。接種前に、医師から同意書の内容を1項目ずつ詳しく説明されたという。ワクチンの注射後は1人1つずつ電子体温計を両面テープで脇につけ、携帯電話に接続して24時間リアルタイムで検温をしているそうだ。
多くのボランティアと同様に、発熱症状が現れた陳夢橋さんは、「21日は一日中熱があり、最高で37.8度だった。しかしこれは正常な現象で、恐らく免疫システムが反応したのだろう。現在はすでに正常な体温に戻った」と話した。一方で、27歳の元軍人、朱傲氷(ジュウ・アオビン)さんには何の反応も出なかったという。
陳夢橋さんによると、ボランティアは接種後、14日間集中隔離される。その後、さらに14日間は自宅から出ないよう勧められる。また、ワクチン接種から1週間後、半月後、1カ月後、3カ月後、6カ月後の時点で採血するため、6カ月後まで医師と連絡を取る必要があるという。
集中隔離中の生活について、朱さんは「1人部屋で環境はかなり良い。食事は決められたものが決まった量出てくる」と話した。この期間中は勝手な喫煙や飲酒、提供されたもの以外を食べることはできないという。
また、前出の陳凱さんは臨床実験を受けるにあたって妻が心配していたというが、「ボランティアリスクを理解した上で参加を決める」「何かあれば、有名な病院の専門家チームが最初に治療する。個人的にリスクは特別高い訳ではないと考えている」などと話した。
記事によると、ワクチンの臨床実験に参加したボランティアの経歴が公開され、中国のネット上では多くの祝福や感謝の声が上がっている。しかし、陳夢橋さんは落ち着いた声のまま、「私たちは普通の人で、自分のできることをするだけ。第一線で活動している医療スタッフや科学研究員に比べると、ささやかな貢献だ」と語ったという。(翻訳・編集/毛利)

中国紙の環球時報は23日、中国で行われた新型コロナウイルス用遺伝子組換えワクチンの臨床実験に参加したボランティアらの体験を紹介した。