ナポリのFWでベルギー代表のドリース・メルテンスはでかいワインボトルをウエイトシングルレッグスクワット photo via @driesmertens on Instagram

◆外出制限下の自宅待機中のナポリ所属選手に監督が推奨!?
 現在、新型コロナウイルスが猛威を奮っているイタリア。この影響は一般市民だけではなく、アスリートたちにも及んでいる。

 3月11日にはセリエAでもユベントスイタリア代表DFダニエレ・ルガーニの感染が発覚。その後、サンプドリアフィオレンティーナの選手も陽性だと発表され、3月25日の段階で15人が感染している。

 そのため、セリエAは現在試合を中断中で、各選手とも自宅での自主トレを推奨されるなどしている。

 そんな中、ナポリ指揮官ジェンナーロ・ガットゥーゾが、あるトレーニングを選手に推奨していると話題になっているという。それは、立命館大学の田畑泉教授が考案した“タバタ式トレーニング”だ。(参照:“Napoli, pochi carboidrati e tanto “metodo Tabata”|La Gazzetta dello Sport

 ナポリのFWでベルギー代表ののドリース・メルテンスなどは、バルコニーでどでかいワインボトルを掲げてシングルレッグスクワットをするなど、イタリアン風味な味付けをしてタバタ式を実践している。

東日本大震災で子供の運動不足解消にも
 タバタ式トレーニングの名前の由来となった人物であり、『究極の科学的肉体改造 タバタ式トレーニング』の著者である立命館大学の田畑教授はこう語る。

「タバタ式トレーニングとは、高強度インターバルトレーニング(HIIT)と呼ばれるトレーニングの一種で、短い時間・少ないスペースでも最大限に心肺機能を向上させることができるトレーニングです。もとは、スピードスケートの世界でナショナルチームヘッドコーチをなさっていた入澤孝一先生(現・高崎健康福祉大教授)採用されていたインターバルトレーニングの中の一つでした。そのインターバル・トレーニングについて、最大限に効果を引き出すことができる秒数の組み合わせが我々の研究の結果、明らかになりました。それがタバタ式トレーニングなのです」

 トレーニング自体は「『20秒の高強度な運動+10秒休息』の組み合わせを6~8セット行うというもの。短時間だが、終わるときにはオールアウトするくらい追い込めば、週4日、6週続けると、持久力が約10%、瞬発力が約30%向上し、5000m走のタイムが50秒短縮した被験者もいたというほど効果が如実にあるという。

「アスリート用には、最大酸素摂取量(VO2MAX)の170%という、最後は歩けないくらいの強度できっちり追い込めれば最大の効果を期待できます。しかし、アスリートじゃない方の場合でも、そこまで追い込まなくても普段の健康増進には十分に役立つことがわかってきました。私どもの研究室でも東日本大震災のときに避難所で生活する子供たちのために『中学生のための タバタトレーニング (東日本大震災支援プロジェクト)』というものを実施し、現地で指導などをしてきました。(17分35秒から始まるものが、下肢の筋力を高め持久力を向上させるプログラムがタバタトレーニング)」

◆1畳ほどの場所と20分程度あれば器具不要
 このトレーニングが優れているのは、ウォーミングアップクールダウンを入れても20~30分で終わる点と、1畳ほどのスペースさえあれば器具なども必要としない点だろう。

170%VO2MAXと言ってもどれくらいの強度かわからないかもしれませんが、だいたい続けて行えば50秒程度で疲労困憊するくらい、6セット目で最大心拍数(220-年齢)の90%くらいです。40歳なら6セット目で220-40×0.9で162bpmまで心拍数を上げる強度ですね。しかし、子供や一般の方は自分の体力や身体の状態に合わせた強度で構いません。最初のうちは70%や80%くらいを目標にやってみてもいいでしょう」

 アスリートの場合は、自転車ローラー台や、高速度に耐えうるトレッドミルなどを使うのが効率がよいというが、一般人が取り組む場合は、前出の東日本大震災支援プロジェクトの動画のような体操が器具も不要で強度もちょうどいいだろう。

「こうした体操は私の著書『噂のタバタトレーニング』でも数種類紹介しており、QRコードを読み込めばスマホタブレットで再生可能なので、どこでも気軽に運動できます」

ナポリのFWでベルギー代表のドリース・メルテンスはでかいワインボトルをウエイトにシングルレッグスクワット photo via @driesmertens on Instagram