仕事は楽しいし、結婚願望もない。頑張っているから年収もそこそこあるし、老後にもしっかり備えてる。「結婚すると将来の不安が減る」ってみんなは言うけれど、どうして?納得できない!そんな頑張り屋さんの女子達に届けたいお金のはなしがあります。

厚生年金の受取額、シミュレーションをしたことはありますか?50歳を超えると、ねんきん定期便に「老齢年金の見込額」が記載されるのでおおよその目安金額が分かるのですが、現役世代は受取額について全く考えたことがないという方も多いもの。

金融コンサルタント会社でお客様窓口をしていた頃も、将来のライフプランについて考えていく上で、まずは公的な補助である年金の受取額のシミュレーションをすることから始めていました。

不安はあるけれど、実際に調べたことはないし、よく分かっていない。そんな方は一緒にシミュレーションをしてみましょう。

厚生年金の受取額をシミュレーションしてみよう

年金制度はよく2階建ての制度と言われます。

1階部分は国民年金(基礎年金)」。こちらは、自営業や個人事業主の方、会社員の方、専業主婦の方などの立場に関わらず、みんなが加入している年金制度です。年収による受け取り金額の変動はなく、加入期間によってのみ左右され、受け取り時には「老齢基礎年金」と呼ばれます。

そして2階部分が、厚生年金保険」。こちらは、会社にお勤めして厚生年金を支払っている方のみ加入する制度です。給与から天引きされていることがほとんどで、会社と折半で負担しています。受け取り金額は加入期間とその間の平均年収によって各々変わってきます。受け取り時には「老齢厚生年金」と呼ばれます。

老齢基礎年金は20歳から60歳までが満期となるので、未納分がなければ満額の78万100円を受け取ることが出来ます。大学在学時に特例制度を利用して免除を受けている方も多いので確認してみてくださいね。

老齢厚生年金は細かい条件によって異なり、平均年収と加入期間で受取額が変化します。ただ、「平均年収×0.55%×加入期間(年数)」でおおよその受取額を算出することができます。

未納期間がない方は、この「老齢基礎年金」の78万100円と「老齢厚生年金」の算出額を足した金額が、1年に受け取る年金額ということになります。

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お金に対する問題意識

ざっと制度の説明をしてしまいましたが、気になるのは「じゃあ実際にいくらもらえるの?」というところですよね。

例えば、国民年金の未納期間がなく、20歳から60歳まで会社にお勤めされる見通しで、その期間の平均年収が500万円の方の場合。

(老齢基礎年金)78万100円+(老齢厚生年金)500万円×0.55%×40年=118万100円

総額188万100円が年間受取額。これを単純に12カ月で割って月額に直すと、15万6000円

この金額が多いと感じるか少ないと感じるかは感覚的な問題ですが、不動産を確保してローンを払い終わっていれば十分ともいえるけれど、賃貸物件ではなかなか厳しそう。余裕ある老後の暮らしとはこんなにも難しいものなのか…と、天を仰ぎたい気持ちにもなります。

2人で支え合うという選択

最近は自立する女性も増え、結婚していても扶養に入らずキャリアを積んで働く女性が増えています。同じ女性として女性の社会進出は喜ばしいことです。先ほどシミュレーションした老齢年金の受取額も、奥様が扶養を外れた共働き世帯の夫婦なら2倍になりますね。

つまり、専業主婦ではなく扶養を外れて働くことで受け取る「老齢厚生年金」の金額が増えていくということ。厚生年金は年収に応じて受取額も変わってきますから、どうせならバリバリ働いて豊かな老後に備えるというのも選択肢の一つです。

「独身」か「結婚」かという選択

もしかしたら、読者の方の中には「独身」か「結婚」かという選択肢で悩まれている方もいらっしゃるかもしれません。私自身も未婚ですが将来には悩むところ。もともと結婚願望はなく、死ぬまで働いていたい!仕事大好き!というタイプですが、老後のお金のことをお客様にお伝えする中で、自分の胸にグサリと刺さってくるものが常にありました。

お互いに会社勤めで働いた場合、年収にもよりますが単純に考えると年金の受取額は2倍になります。旦那さんの方が年上だった場合は旦那さんの年金支給の時期が早くなり、年下だった場合は旦那さんの方が遅くなるということはあれど、例えば住宅を購入したとしても2人なら楽だよな…。

キャリアは誰にも邪魔できない自分だけのものですが、「支え合う」という選択肢を頭の片隅に置いて見るのもいいのかなあなんて最近では少し考えています。皆さんの老後にも私の老後にも!幸あれ☆

【参考】
年金見込額試算日本年金機構
いっしょに検証!公的年金厚生労働省