リバプールクロップ監督も感銘、世界に衝撃を与えた驚愕ボレー弾

 日本代表MF南野拓実にとって、2019-20シーズンは大きな転機と言えるだろう。在籍6シーズン目のオーストリア1部ザルツブルクで今季をスタートさせたなか、瞬く間にスターダムを駆け上がり、欧州王者リバプールへ移籍を果たした。そんな激動のシーズンから南野の名シーンを「DAZN」がピックアップし、動画で紹介している。

 真っ先に登場したのは、南野のサッカー人生を大きく左右することになった一撃だ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)第2節で、ザルツブルクは昨季CL王者リバプールと対戦。前半36分までに3失点のザルツブルクは直後に1点を返し、迎えた後半11分に南野が強烈な輝きを放つ。

 ハーフウェイライン付近から速攻を仕掛けたザルツブルクは左サイドを突破し、中央へクロスを供給。そこに走り込んだのが南野だ。絶妙なタイミングでエリア内に入り込み、思い切りよく右足を振り抜き、鮮やかなボレーシュートを叩き込んだ。

 英メディア「スポーツ・バイブル」は「まさにその瞬間、ユルゲン・クロップ南野拓実と契約したいと思った」と紹介。世界に衝撃を与えた南野の一撃は、リバプールを率いるクロップ監督に感銘を与え、ビッグクラブ移籍に直結したと伝えている。

 南野はこのリバプール戦で1ゴール1アシストの活躍を見せたおり、そのアシスト場面も映像の3番目に登場する。相手エリア内でボールを受けた南野はフェイントを交えながらボールをキープすると、絶妙なグラウンダーのパスを送り、ノルウェー代表FWアーリング・ブラウト・ハーランド(現ドルトムント)のゴールをお膳立てした。

80m爆走から絶妙アシスト、糸を引く低弾道ゴールも選出

 今年1月にリバプールへ移籍した南野だが、今季前半戦はザルツブルクで存在感を放ち、リーグ戦14試合5ゴール6アシスト、CL6試合2ゴール3アシストの結果を残している。映像にはザルツブルク時代のシーンも収録されており、ヘンク戦から二つの印象的なプレーが選ばれた。

 CL初戦のヘンク戦(6-2)、自陣エリア手前でボールを拾った南野がドリブルを開始。一気に駆け上がると、追いすがる相手を置き去りにして80メートル近い疾走を見せた。最後は左足で正確なクロスボールを供給し、絶妙なアシストもマークしている。同じくCL第5節のヘンク戦(4-1)、1-0とリードして迎えた前半終了間際に相手エリア内でパスを受けた南野が右足を一閃。糸を引くような低弾道シュートがゴール左隅へ突き刺さった。

 最後は、リバプール移籍後のリーグ戦出場2試合目となる第25節のサウサンプトン戦(4-0)だ。右サイドからエジプト代表FWモハメド・サラーがドリブルで持ち上がり、ゴール前へパス。待ち構えていた南野がシュートモーションに入ったなか、後方から走り込んだギニア代表MFナビ・ケイタと被る形となり、南野の一撃は惜しくも枠外へ外れた。移籍後初ゴールのチャンスを惜しくも逃したが、ホームの観客を沸かせている。

 リバプールではベンチスタートが主となっている南野だが、世界的なスターたちと共演を果たしており、リーグ再開後の飛躍に期待が懸かる。(Football ZONE web編集部)

リバプールMF南野拓実【写真:AP】