新型肺炎の欧米での爆発的な増大と、感染が拡大している国からの渡航者によって持ち込まれる症例数の増大から各国では国や地域をロックダウン(封鎖措置)する動きが加速しています。

アジアの多くの国が取り入れている「パーシャルロックダウン

 突然、小池東京都知事の口から飛び出した「ロックダウン」とはまず何でしょうか。新型肺炎に伴うロックダウンは、都市封鎖といった意味で使われています。感染者が爆発的に増えている、ニューヨーク、パリ、イギリス全土では外出が禁止されています。国や地域によっては罰則や警察による強制帰宅などもあります。

 また、マレーシア、タイなどの東南アジアオセアニアなどではパーシャルロックダウンを取り入れている国や地域もあります。いわゆる一部ロックダウンです。

 シンガポールでも非常に細かいガイドラインが出て、バー、カラオケなどの一部の娯楽施設を一時的に閉鎖しています。ただし、小売モール美術館アトラクションなど人と人との接触が一時的な公共施設などは条件付きで営業を認められます。

結婚式や葬儀にも規制がかかっている

 例えば、16平方メートルあたりの人数が1人を超えないようにするなどです。固定席のある飲食店の利用者は間隔をあけて使用(席を1つ開ける)などで、施設の管理者は席に目印をつけるなどの工夫が必要です。

 オフィスの会議室などではカラーテープで目印が貼り付けられており、間隔をあけて利用するように対策が取られています。また、仕事や学校以外の集まりは一度に10人以上の参加者を伴う集会の開催や参加は避ける勧告も出ており、これには結婚式や葬儀なども含まれます。

 このような細かなガイドラインが政府のウェブサイトや政府系メディアで報道され、報道から施行までの間は現場も混乱をしている様子でした。朝と夕方とで店からの顧客に対する連絡が二転三転するなどです。習い事に規制が入ったシンガポールでは、バレエピアノや塾などの教室の多くも一時的にオンラインレッスンで対応するということです。先払いをしている月謝なども多いのですが、致し方ないことです。

  では、このロックダウン生活で「やらないほうがいいこと」「避けるべきこと」はなんでしょうか。

その1)夏休みや秋頃でも危ない! 海外旅行の計画

 自粛で耐えられないという思いから海外旅行を計画したい人もいるようですが、諸外国の方がよりきびしい罰則を科していたり、外国人の入国拒否をしている国も多いです。また、夏休みや秋頃なら大丈夫と思っている人もいるかもしれませんが、航空会社の経営状態も含めて数ヶ月先の予測が難しい現状です。

 できれば現段階では旅行は予約しないのがベターで、どうしてもという場合、航空会社の破綻も対象となる保険に加入するなどの工夫も必要でしょう。

その2)「ソーシャル・ディスタンス」を縮める

「一度に10人以上の参加者を伴う集会の開催や参加は避ける」と言った具体的な数字が通達されている場合、厳密に9人までの集まりにしなければなりません。赤ちゃん赤ちゃんをケアする人など連れて来ざるを得ない人も含めなければならず、レストランに確認したところ、テーブルを分けてスペースを確保したとしてもNGのようでした。

 反対に、列なども含めた「ソーシャル・ディスタンス(人と人との距離)」など細かいガイドラインを遵守すれば、営業を行えるサービスもあり、シンガポールではユニバーサルスタジオも一部のサービスを除いては3月25日現在は営業をしています。

 公共の場所やマーカーされている固定席で他の人から1m離れずに座ったり、列に並んだりすると、最高約76万円の罰金、最長6ヶ月の懲役、もしくはその両方になる場合もあります。モールなどに監視カメラは至る所にあります。

 他国も含めた事例や科学的な根拠などを検証しながら必要な自粛を行うことが、経済を損ない過ぎず、健康の被害を最小限に止めることに繋がりそうです。

その3)プライベートな内容を過度にSNSで投稿する

 ロックダウン中にも関わらず、インスタグラムなどSNSパーティーなどの投稿をしていると反感を買うだけではなく、政府や警察などに通報されるリスクもあります。

 米エンタメ界ではツイッターなどで検査結果をつぶやくセレブがいて、検査の優先順位など不公平さに対する不満が広がっています。

 グループチャットも要注意です。人によっては家から一歩も外に出ないなど意識の差が大きいので、情報の受け止め方も異なります。生活に必要な物を買いに行くと伝えただけでも(禁止されていない行為)、返信なしで、もしかすると子供の交際関係に影響したかもしれないという出来事がありました。特に外国人の場合、日本人からすると想像もできないほど神経質な人と、全く気にしない人とで振れ幅が大き過ぎるので下手な発言は控えるべきだと痛感したのです。

その4)「ロックダウン」で大騒ぎ

 各国の政府はパーティーなど集会の制限に乗り出しているところは多いですが、ニューヨークベルリンなどのレストランでは浮かれ騒ぐ人が溢れたり、フランスベルギーでは「ロックダウン(封鎖)・パーティー」など、世界の終わりを祝う学生パーティーが夜遅くまで開かれたりもして問題となっています。

 もちろん政府の要請日とロックダウンの開始日とにタイムラグが生じる場合があります。最後の晩餐ではないですが、ロックダウンが開始される前日の夜などに若者などが大騒ぎすると、その後により悪い結果が出て、より厳しい罰則を受けることに繋がります。大騒ぎした人以外のコミュニティー全体も影響を被ることになります。

その5) 買いだめによる「現金の使い過ぎ」

 ロックダウンや自粛は長引く可能性があるために、家計はできれば3ヶ月から6ヶ月分の生活費を現金で確保しておきたいところです。中小企業が迅速に資金を確保できるスピード融資の利用が急増していますが、資金繰りに困らないように低利で融資を受けてでも当面の運転資金を確保しておきたいところです。

 2週間分の食料や生活用品などを買い込んでおきたい人も多いでしょうが、それをすると手元の現金が少なくなるジレンマもあります。多くの地域では生活必需品の購入は認められているために、必要以上に買い込まなくてもよいでしょう。かえって生活が苦しくなることも考えられます。

 この週末、家の中でモノの整理をすれば、中古で販売できる不用品やポイントの入ったカードなどが見つけられるかもしれません。食料品なども整理してカテゴリーごとに分けて可視化をさせるのも無駄な物や重複した買い物を防ぐことに繋がります。

(花輪 陽子)

外出自粛が発表された3月26日、スーパーの棚から商品が消えた ©GettyImages