南アフリカ共和国のラマポーザ大統領3月23日に宣言した外出禁止措置(ナショナルロックダウン)が、3月27日から4月16日まで行われることになった。ロックダウン初日となった3月27日は大多数の国民が自宅で過ごしていたが、低所得者層の住むエリアでは屋外で遊ぶ子供や泥酔者の姿が見られ、格安のスーパーには長蛇の列ができて軍隊が出動したという。そんななか南アで初の新型コロナ感染者が発表された3月5日から、わずか22日間で国内の感染者数が1000人を超えたことが明らかになった。『News24』などが伝えている。

27日朝からの外出禁止措置は、食料の買い出しや現金の引き出しといった必要最低限の行動以外を制限するものだ。生活に不可欠なサービスを行う会社を除いて閉鎖され、航空機の国際線および国内線はすべて運航停止。公共交通機関も動いておらず、スーパーは食品を売るのみだ。銀行、薬局、ガソリンスタンドなどは開いているが、レストランやカフェは休業し、犬の散歩やジョギングも禁止された。

この期間中も仕事に行かなければならない人々には、許可証の携行が義務付けられている。これら外出禁止の取り締まりは警察だけでは手が足りないため、軍隊も出動することとなった。ロックダウン前日には、関係する各大臣が会見に現れ、ロックダウンの詳細について答えながら、外出禁止措置は新型コロナウイルスから国民の命を守るための措置であることを強調した。

そして外出禁止措置初日となった3月27日、ほとんどの地域では人気がなく今までと違う街の様子であった。しかし低所得者層の住むタウンシップの一つ、ヨハネスブルグアレクサンドラ(Alexandra)は朝から多くの人でにぎわっていた。あるスーパーには長蛇の列ができ、軍隊によって強制的に店舗が閉鎖され、並んでいる人々は帰宅を促された。朝6時からこの列に並んでいたという人は「ここが一番安い。コロナウイルスは怖いけど、食べるものを買わなければいけないんだ」と語っている。

またケープタウンのタウンシップ、ランガ(Langa)でも、人々は通常の生活を送っていた。親が仕事で家にいないため屋外で遊んでいる子供達は、警察や軍隊を見ると隠れ、彼らがいなくなるとまた遊び始める。「民主主義の政府は我々を家に閉じ込めることはできない」と息巻く酔っぱらった人々や、屋根に上って軍隊やメディア関係者に悪態をつく男性も現れた。ATMには長い行列ができており、市の職員らが間隔をあけて並ぶよう呼びかけている。

そのようななかで保健省は27日、南ア国内の感染者が1170名になったことを発表した。3月5日に感染者第1号が確認されてからわずか22日で、新型コロナ感染者数が1000名を超えてしまった。またケープタウンでは、国内初の新型コロナウイルスによる死者が公表された。亡くなったのは48歳女性で、陽性と判断された2日後に息を引き取ったという。この女性は国外には出ておらず、週末にワインファームへ行った後に体調が悪くなったとのことだ。

画像は『News24 2020年3月27日「National lockdown: Alexandra ignores call to stay in」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN

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