中国メディア・東方網は27日、熱帯のフルーツとして知られるバナナについて、冬は凍てつく寒さとなる北海道釧路市で試験栽培に成功したと報じた。

 記事はバナナについて、熱帯や亜熱帯で栽培され、気温が13℃未満で生長が停止し、零度以下になると凍死してしまう性質を持つと紹介したうえで、冬は零下10度の厳しい寒さとなる同市にて「北限バナナ」と称される温室栽培バナナの試験栽培に成功したと伝えた。

 そして、同市の農業組織が独自の「凍結解凍覚醒法」という技術を活用し、バナナの種を零下60度に180日間置き、これを解凍させることで耐寒性と耐病性の向上を実現したと説明。今回栽培された「北限バナナ」は種を植えてから収穫まで9カ月と、通常のバナナの半分程度の期間でできる一方で、種子の値段が高いうえに温室栽培のコストがかかることから、1本の値段も通常のバナナに比べてはるかに高価になるとしている。

 記事は、「北限バナナ」の糖度が通常のバナナよりも10度も高い糖度を持っていると紹介したほか、今年9月には1本1000円程度で発売される見込みだと伝えた。

 日本の農業技術についてはしばしば中国のネット上でも取り上げられ、効率の高さ、技術力の高さなどが評価される。「北限バナナ」も、たゆみない研究とテストの積み重ねにより実現した成果と言えるものであり、「バナナは暑い場所で育つ」という概念を覆すインパクトも相まって、中国の農業関係者やネットユーザーたちから注目を集めることになりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

熱帯フルーツのバナナ、日本人が北海道での栽培に成功した!=中国メディア