中国メディア・鳳凰網は27日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い東京五輪パラリンピックの延期が決定したことで、韓国のスマートフォン大手サムスン電子が、低迷していた日本市場でのシェア拡大に向けた大きなチャンスを失ったと報じた。

 記事は、東京五輪パラリンピックが来年に延期されたことで、五輪のスポンサーとして大会期間中に5G通信対応の新モデルGalaxy S20を大々的に宣伝しようとしていたサムスンの計画が破綻してしまったと伝えた。

 そして、サムスンOBというアナリストの見解として「来年の五輪開催時もフラッグシップ機のPRをする可能性が高い」と伝える一方で、日本市場戦略について同社が具体的なコメントは避け「五輪がいつ開催されようが、日本の消費者に新しい提供し続けていく」と述べたことを紹介している。

 そのうえで、世界的には最大のスマートフォンメーカーである同社も、日本市場ではシェアが非常に低く、市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチのデータによれば、アップルが50%強のシェアを持つ日本市場において、サムスンは2013年よりシェアを減らし続けており、現在は4%にとどまっているとした。

 記事は、アップルの牙城を崩して日本市場のシェア拡大を期する同社が昨年3月に東京・原宿に世界最大のGalaxyショップをオープンさせたほか、同5月には同社の事実上のトップであるイ・ジェヨン副会長が日本を訪れ、日本のモバイル通信事業者と5G通信の提携について協議を行っていたと紹介。しかし、絶好のPRの場と位置付けていた五輪の開催が先送りとなり、専門家からは「5G市場で機先を制しようとしていたサムスンにとっては挫折だ。五輪の延期で5G市場の発展は鈍化することが予測されるため、ライバルのアップルは胸をなでおろしたはずだ」との見方が出ていることを伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

東京五輪延期で、日本市場で絶好のチャンスを逃した韓国企業=中国メディア