詳細画像はこちら

ポルシェGTシリーズとの類似点

もちろん、275トロフィーRとGT2 RSとは違う。

この2台の間には431psものパワーの差があるが、一方で究極のメガーヌポルシェのGTモデルの間には類似点も存在している。

詳細画像はこちら
300トロフィーRのハンドリングはスタンダードモデルよりも自然に感じられる。

もっともパワフルなGT2 RS同様、もっとも過激な最新のメガーヌ300トロフィーRも、この3台のなかで最高の速さとハードコアさを誇ることに疑いの余地はないだろう。

このクルマも他の2台のメガーヌと同じコンセプトを引き続き採用している。

リアシートを取り払うことで軽量化を図っているものの、スタンダードモデルからパワーは引き上げられていない。

今回もっとも軽量化に貢献したのが、スタンダードな300トロフィーの予想不能なハンドリングの元凶となっていたリアのアクティブステアリングを撤去したことだ。

お陰でドライバーはすべてのステアリング操作にいかにこのクルマが反応し、まるで20ペンス硬貨をなぞるかの様にコーナーをクリアしていく様子に驚かされるに違いない。

だが、このクルマを手に入れる為には大量の20ペンス硬貨が必要だ。

もしかしたら、ルノーは比較的好調だった275トロフィーRのセールスに勇気づけられたのかも知れない。

他の誰よりも個人的に300トロフィーRを高く評価しており、このクルマの内容を考えれば、5万1140ポンド(706万円)という価格も十分納得出来るものだと考えている。

レコードパック仕様の価値

だが、カーボンファイバー製ホイールとカーボンセラミックブレーキ、さらにはエアスクープ付きボンネットを備えたニュルブルクリンク・レコードパックであれば、その価格はさらに7万2140ポンド(995万円)へと跳ね上がる。

では、このクルマにはこれほどの価格に見合った価値はあるのだろうか?

詳細画像はこちら
275トロフィーRは素晴らしいコーナリング性能を備えている。

こうした特別な装備がなくともこのクルマに対する評価は変わらないのであり、同じ道を舞台にスタンダードモデルとの比較を行わない限り、カーボン製ホイールとブレーキがもたらす乗り味の違いを感じることは難しいだろう。

だが、こうした装備なくして、このクルマの速さが実現しないことも事実なのだ。

英国に割り当てられた300トロフィーRはわずか32台に過ぎず、そのうち2台のみがレコードパック仕様となる。

いずれにせよ、このクルマは驚くべき速さを発揮する。

ニュルのラップタイムは7分45秒にまで短縮されているが、直線での速さを比べると、275と300の差は、R26Rと275の差と同じくらいあるように思える。

レッドラインまで強烈な速さで達するため、まるでクラッチが滑っているかのようであり、激しいインテークサウンドと、275よりは控え目なエグゾーストノートを奏でるこのクルマは、やはり275よりも大きく重たくモデルだと感じさせる。

そして、300はより洗練された方法でその驚異的な機動性を実現している。

オリジナルが最高

アクセルオフのままターンインすれば、ドライバーの予測どおりの動きを見せ、優れたコントロール性を維持したまま速いペースでコーナーをクリアしてみせる。

ロック・トゥ・ロック2.3回転のステアリングは非常にクイックだが、他の2台と同じく、見事なコミュニケーション能力を備えている。

詳細画像はこちら
6%(若しくは29秒):2008年にR26Rが記録したニュルブルクリンクのラップタイムを短縮したパーセンテージだ。

そして、他の2台よりも強烈なフロントグリップによって、ドライバーはよりハードなドライビングを試すことが出来るのだ。

このクルマは275よりもソフトに感じられるが、どちらもR26Rの繊細さには敵わない。

この3台のなかで、R26Rだけがまるでひとクラス下のモデルのようだ。

つまり、3台すべてがいまも「公道で使い切れるドライビングの楽しさと、やや過剰な速さ」を備えたモデルであり、まさに正常進化を果たしてきたと言えるだろう。

新しくなるにつれ、より大きく、速くなるとともに、より高いグリップ性能を発揮し、ステアリングのレスポンスも向上している。

まさに、現代のレンジローバーが40年前のモデルをまるでコンパクトカーだと感じさせるのと同じだ。

そして、R26Rは初代レンジローバーほど古くはない。

ケットシートとフルハーネス式シートベルト、そしてロールケージを備え、新車当時と変わらぬ強固なフィールは現代でも十分通用するだろう。

確かにより速くより現代的なメガーヌは存在する。

だが、オリジナルのR26Rほどドライバーを虜にする魅力と楽しさを備えたメガーヌはない。

各車のスペック

ルノー・メガーヌR26R

価格:2万6815ポンド(2008年当時、オプション含む)
エンジン:1998cc直列4気筒ターボ
パワー:230ps/5500rpm
トルク:31.7kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1230kg
最高速:237km/h
0-100km/h加速:6.0秒
燃費性能:9.8km/L(NEDC複合)
CO2排出量: 199g/km(NEDC複合)

ルノー・メガーヌRS 275トロフィーR

価格:3万6430ポンド(2014年当時)
エンジン:1998cc直列4気筒ターボ
パワー:275ps/5500rpm
トルク:36.6kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1280kg
最高速:254km/h
0-100km/h加速:5.8秒
燃費性能:13.3km/L(NEDC複合)
CO2排出量:174g/km(NEDC複合)

ルノー・メガーヌ・トロフィーRニュルブルクリンク・レコード・エディション

詳細画像はこちら
500:300トロフィーRの予定生産台数だ。クリオウィリアムズは最終的に1万2000台が作り出されている。

価格:7万2140ポンド(995万円)
エンジン:1798cc直列4気筒ターボ
パワー:300ps/6000rpm
トルク:40.8kg-m/3200rpm
ギアボックス:6速マニュアル
乾燥重量:1381kg
最高速:262km/h
0-100km/h加速:5.4秒
燃費性能:12.5km/L(NEDC複合)
CO2排出量:180g/km(NEDC複合)

番外編:さらに特別 ホットなルノー製モデル5選

8ゴルディーニ

8のゴルディーニバージョンはルノーにホットモデルの販売方法を教えることとなった。

1964年から1970年の間に、このリアエンジンのゴルディーニモデルは9000台がオーナーのもとへと嫁いでいる。

詳細画像はこちら
8ゴルディーニ

ラリーではツール・ド・コルス3連覇を達成している。

5ターボ

グループ4の規定を受け、ルノーは1.4Lエンジンを車体中央に積んでリアを駆動する5ターボでラリーに参戦している。

ホモロゲーションの規定を満たすと、ややスペシャル感を落としたターボ2が登場している。

クリオ・ウィリアムズ

ルノーでは参戦しているラリーのクラスで最大排気量となる2.0Lエンジンを積んだクリオを2500台作り出す必要があった。

素晴らしいモデルであり、ホモロゲーションで必要な2500台数以上の販売も十分可能だと思われた。

そして彼らは実際にそうしたのであり、ウィリアムズ2と3は、ウィリアムズ1を購入した多くのドライバーを苛立たせることとなった。

スポール・スピダー

1996年、公道モデルとしては初めてルノー・スポールの名を冠して登場したこのクルマは、ウインドスクリーンがオプションの2シーター・ロードスターだった。

確かに素晴らしいモデルではあったが、その重量は930kgに達しており、登場したのはロータスエリーゼと同じタイミングだったのだ。

クリオV6 RS

オリジナルのクリオV6トロフィーはTWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)が製作を手掛けていたが、2001年に登場し、はるかに優れたドライビング性能を備えたフェイズ2は、現在アルピーヌを生産しているディエップを舞台に、ルノー・スポールが自らの手で作り出していた。


ルノーの記事
ルノー・メガーヌR26R/メガーヌRS 275トロフィーR/メガーヌ・トロフィーR
ルノー・キャプチャー1.3 TCE 130 Sエディション EDC
ルノー・メガーヌR26R/メガーヌRS 275トロフィーR/メガーヌ・トロフィーR
【7.5億円で落札】1932年のブガッティ・タイプ55 戦前車に注目 ボナムス・アメリアアイランド・オークション

【究極のメガーヌ対決】 R26R vs 275トロフィーR vs トロフィーRニュルブルクリンク・レコード・エディション 後編