新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、現在世界中で多くの人が自宅待機を余儀なくされている。しかし家族やパートナーと一つ屋根の下で過ごすその環境自体が“安全”ではないとしたら…? 英王室・チャールズ皇太子の妻であるカミラ夫人がこのほど、公式SNSで自宅待機中のDV(家庭内暴力)について言及し注目を集めている。

英王室チャールズ皇太子の新型コロナウイルス感染のニュースが公表されたのは、英時間25日のことだった。幸い症状は比較的軽く、現在スコットランドのバルモラル領地内で自主隔離中である。一緒に検査を受けたカミラ夫人(コーンウォール公爵夫人)はウイルスには感染しておらず、チャールズ皇太子とは別々の部屋で過ごしている。

チャールズ皇太子が療養中のなかカミラ夫人が現地時間27日、夫妻の公式SNSを通じて次のようなメッセージを発信した。

「私達には現在、自宅待機を行い安全に過ごすことが求められており、人々は皆そのことで困難を強いられています。しかしさらに大きな苦しみにさらされている人達がいるのです。なぜならその人達にとって、自宅は安全な場所ではないからです。」

冒頭でそう綴ったカミラ夫人は、自宅待機が「自分を傷つける相手とさらに長い時間を過ごさなければならない」ことを意味する場合があるとしたうえで、家庭内暴力に苦しむ人達の現状に対する理解や関心を求めた。そして自分自身や周りの人がこのような状況に陥っている場合は「一人ぼっちじゃないことを知ってほしい」と記し、自宅待機中でもできることとして電話相談サービスやDV支援に尽力するチャリティー団体にコンタクトを取るよう呼びかけた。

本来はウイルスへの感染やその拡大を防ぐための対策であるはずの自宅待機だが、制限の多い毎日で感じる閉塞感や感染・失業などに対する不安はDV加害者の心理を煽る危険性があり、そのような人物と共に過ごさなければならない被害者にとって、それは逃げ場を失うこと、時に命を危険にさらすことにもなりかねないのだ。

このような状況は多くの専門家も指摘している事実であり、米国「ナショナル・ドメスティック・バイオレンスホットライン」のCEOケイティ・レイ=ジョーンズさんは『CNN』の取材に対し「パンデミックによる自宅待機が続けば、電話やメールによる相談件数は今後も増加をたどることでしょう」と述べている。

新型コロナウイルス関連の報道では感染者数や経済対策に関するニュースが多く取り上げられているが、自宅待機令により逃げ場を失ったDV被害者にスポットライトを当てたこのたびのカミラ夫人のメッセージには、

「SNSで拡散してくれてありがとう」
「考えたこともなかったけど、被害者の立場を想像すると胸が痛む」
「悲しい現実、でも皆が目を向ける必要がある問題だと思う」

といったコメントが多数寄せられている。

画像は『Clarence House 2020年3月27日付Instagram「This is a hard time for everyone, as we are all asked to stay at home to stay safe.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma

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