スローガン「Make America Great Again(アメリカを再び偉大にしよう)」を掲げ、度々人種差別的な発言も見られる米ドナルド・トランプ大統領共和党)。特に新型コロナウイルスパンデミック化して以降、政府に対する反論が加速。新型コロナウイルスを「Chinese Virusチャイニーズ・ウイルス)」と呼び、中国人や中国系アメリカ人から「人種差別」と多くの非難を浴びた。このような状況下、トランプ大統領を批判するセレブも多く見られる一方、大御所ラッパーのカニエ・ウェスト(42)はトランプ大統領支持を声高に叫んでいる。

カニエ・ウェストといえば、お騒がせカーダシアン姉妹の次女キム・カーダシアン(39)の夫であり、“Kimye(キムエ)”の愛称で知られるおしどり夫婦としても有名である。米国では黒人の大半が民主党を支持すると言われるなか、世間はカニエが黒人でありながらなぜトランプ大統領をサポートするのか疑問を抱えていた。この世間の疑問に対し、4月発売の雑誌『WSJ. Magazine(The Wall Street Journal)』 のインタビューでカニエ自身が答えた。

「俺は赤い帽子、“MAGA”ハットを被る黒人なんだ。想像できる?」

「MAGA」とは、トランプ大統領の掲げるスローガン「Make America Great Again」のそれぞれの単語の頭文字をつなげた略語であり、SNSなどでトランプ大統領に言及する際に「#MAGA」と使われることがある。トランプ支持者達は同スローガンが書かれた赤い帽子を被り、彼への尊敬を表す。カニエは「黒人でありながらなぜトランプ大統領を支持するのか」という疑問に対して、「俺がまだ有名になる以前のごく普通の黒人だった時に感じた気持ちを思い出すよ。レストランに行くと周囲がまるでいまにも俺が物を盗むんじゃないかって目で見てくるんだ」と明かし、「階級、人種差別だけでなく保護主義など、全てにおいて『こいつはここに収まるべき』と決めつけることは間違っている」と主張した。

カニエトランプ大統領を支持しているが、彼に投票していたわけではない。それ以前に有権者登録すらしていないこともインタビューで暴露している。カニエトランプ大統領は2018年10月にホワイトハウスで顔を合わせ、減税や刑務所改革、精神疾患や人種差別について討論した。その後の2019年4月、カニエはTwitterで「お前達はトランプに賛成しなくてもいいが、俺をトランプ嫌いにさせることはできないよ。俺達はドラゴンのようなエネルギーを持つ同士。彼は俺の兄弟。みんな愛している。俺は誰のやることにも賛同しないし、それが“個人主義”のあるべき姿だ。俺達は個々の考えを持つ権利がある」とツイートしていた。

またカニエトランプ大統領を支持する理由の一つとして、昨年7月にスウェーデンにて暴行容疑で身柄を拘束されたカニエの同士、ラッパーのエイサップ・ロッキーの解放に前向きに対応してくれたことも関係している。エイサップ・ロッキースウェーデン公演の滞在期間、道端で喧嘩に巻き込まれその暴行現場で捕らえられてしまった。エイサップは正当防衛上の行動であったことを主張するも拘束され、カニエを含む多くのラッパーがエイサップ解放を唱えた。トランプ大統領カニエの申し出を受け、スウェーデンのステファン・ロベーン(Stefan Lofven)首相にエイサップ解放を求めて動いていた。
(TechinsightJapan編集部 MIE

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