新型コロナウイルス感染症COVID-19)の感染拡大を受け、外出自粛や移動自粛を求める声が各地で高まっています。外出の「自粛」ではなく、外出を「禁止」している国々でも、必需品の買い物や通院などは許可されているものの、やはり感染拡大を防止するためには買い物へ行く回数も必要最低限に減らしていくことが賢明でしょう。

買い物へ行く回数を減らしても大丈夫かな?」と少し不安な方のために、実際に「買い物の回数をこれまでよりも減らして生活をしてみた」という方たちにお話を伺ってみました。

数日間買い物に行かなくてわかったこと

買い物に行かなかった」理由はさまざまですが、今回お話をお伺いした方たちは、普段よりも買い物の回数を減らしたことで「わかったこと」があったようです。

買い物に行きすぎだった

「普段は2日に1回くらいスーパーに行っていましたが、子どもが臨時休校になったので連れ回すわけにもいかず、自ずと買い物の回数が減りました。気づいたら8日間経っていましたが、日持ちするものばかりを食べていたわけでもなく、意外と普段と変わらない食生活が送れていることに気付きました。豆腐やトマトが欲しくなって、9日目に買い物に行きましたが、今まで買い物に行きすぎだったんだと思います。でも、買い物に行っている間は夫に子どもを任せて私一人になれるので、ささやかな幸せを感じます(笑)」(38歳/主婦)

時間の使い方が変わった

「会社から在宅勤務指示が出ているのですが、ZOOMを使ったミーティングが日中に何回も入るので平日は落ち着いて買い物に行くことができなくて。今は買い物は休日だけで、平日は家に籠る生活ですので、5日間とか6日間は買い物に行っていませんね。これまでは仕事帰りにその日いるものを買って帰る生活でしたが、このパターンの方が仕事のある日でも夕方に時間ができて、家事をマメにできるのでアリかもしれません。買い物以外に休日にフラっと出掛けられないのはちょっと辛いですけど、仕方ないですね」(29歳/会社員)

スーパーは安くて新鮮だけど…不便は感じない

「感染が怖いので、1月下旬頃から仕事と通院以外には極力外出しないようにしています。うちは生協の宅配が毎週来るので、そもそも買い物も週1~2回くらいでしたが、今はスーパーへの買い物は2週間に1回くらいかな。10日間行かないこともありますよ。野菜や果物、お肉、お魚なんかはやっぱりスーパーの方が安くて新鮮だなとは感じますけど、でもこんな時だし、買い物に行く回数は減っても特に不便は感じていないです」(43歳/パート)

今回お話を伺った方たちからは、買い物へ行く回数が減ったことで生活が激変した、といった感想は聞かれませんでした。かつてのようにストレス解消のための買い物や、リフレッシュのためのレジャーができないことに対する不満は多少ありつつも、買い物に行く回数が減ったことについてはむしろ満足感や達成感を得ているようにすら感じました。

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そもそも買い物に行く頻度って、みんなはどうなの?

今回お話をお伺いした方たちに限らず、外出自粛の動きを受けて「以前よりも買い物に行く回数が減った」という方、また反対に、自粛に備えた買い出しのために「以前より買い物に行く回数が増えた」という方もいるでしょう。では、そもそも買い物に行く頻度というのはどのくらいが平均的な回数なのでしょうか。

農林水産省平成30年10月に公表した「買い物と食事に関する意識・意向調査」によると、2,459人の回答者(100.0%)のうち、食料品スーパーマーケット百貨店、ディスカウントストア、ドラッグストア、量販店を含む)の利用頻度が「1週間のうち1~2回」という方の割合は52.5%で、「2日に1回」は25.7%、「ほとんど毎日」は18.3%。半数以上の方はそもそも普段から週1~2回程度しか買い物に行っていないことがわかります。

つまり、「買い物へ行く回数を減らす」とはいっても、これまで週1~2回程度の頻度だった方はそのままのペースで、反対に、ほぼ毎日行っていた方は週1~2回程度を目標にすれば、大きなストレスを感じることなく過ごせるのではないでしょうか。

買い物に行かなくても大丈夫かな…と不安な方へ

これまで買い物に頻繁に行っていた方にとっては「買い物に行かなくて大丈夫かな」といった不安感がつきまとうこともあるかと思います。しかし、前述のとおり実際に週1~2回程度の買い物で生活を送っている方も多いのは事実です。

また、3月26日農林水産省が、経済産業省消費者庁との連名で発表した「食料品についてのお願い」。ここでも、現在国内では食料品が十分な供給量を確保できているという理由から「食料品は必要な分だけ買うように」「過度な買いだめや買い急ぎはしないで」といった呼びかけがされています。そのため、買い物に行く回数を減らすからといって一度に必要以上買い込む必要もないでしょう。

さらに、具体的な方法として、

買い物に行く前にざっくりと数日分の献立を考えておく
・1週間で何をどれくらい消費したかを記録してみる
・冷凍できる野菜や加工品を知り積極的に冷凍してみる

などの方法も「足りなくなるのでは…」という不安を解消する助けになるのではないでしょうか。

まとめ

収束の兆しが見えない新型コロナウイルス感染症COVID-19)の感染拡大。今回お話をお伺いした方たちからは「今の状況は決して歓迎すべきものではないけれど、このような状況になったからこそ気付けたこともある」といった声が聞かれました。

つい塞ぎ込みがちな毎日が続きますが、日々の小さな「気付き」を大切にしながら、柔軟な姿勢で刻々と変わる今を乗り切っていきたいですね。

【参考】

農林水産省買い物と食事に関する意識・意向調査
農林水産省経済産業省消費者庁食料品についてのお願い