元同僚の言葉に傷ついた出来事を描いた漫画「女社会の話」がSNS上で話題となっています。ある日、寿退社した元同僚が赤ちゃんを抱えて職場に。そこで、元同僚は「まだ仕事続けるの?」「早く子どもつくりなよ、楽しいよ!」としゃべりだし…という内容で、「分かります」「私も同じような経験をしました」「2人目いつ?もつらいです」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

幸せは人それぞれだと思う

 この漫画を描いたのは、ゆき蔵(ペンネーム)さんです。ブロガーとして活躍しており、「20歳差夫婦の日常」で作品を発表する他、インスタグラムにも漫画を投稿しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

ゆき蔵さん「本業はアパレルですが、昔から絵を描くことが好きで、仕事の合間に何かできないかと思って始めました。あと、夫との毎日を残したくて…(笑)」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

ゆき蔵さん「私たち夫婦は理由があり、子どもを諦めました。あの頃は悩みに悩んでいた時期だったので同僚の言葉に心をズタズタにされました。悪気はなかったんでしょうが…本当につらかったです」

Q.漫画の内容は少し昔のお話ということですが、今でも同じような経験はありますか。

ゆき蔵さん「あります。でも、年を重ねて私も強くなりました(笑)今なら『夫婦ってそれぞれ事情があるんだよ?』と言えます。子どもがいない夫婦には、周りに言いたくない事情がそれぞれあると思います。何も知らないのに踏み込むことで、相手を深く傷つけることがあると分かってほしいです」

Q.「幸せは人それぞれ」。全くその通りですね。ゆき蔵さんにとっての幸せとは。

ゆき蔵さん「私にとっての幸せは、意味を求めない時間を夫と過ごせることです。過去に付き合っていた人とは一緒にいる意味を求めていました。『休みだからどこか行こう!』『どこにも行かないなら会う意味ない!』。すごく見えっ張りな考え方だったと思います…。

でも、夫には全くそれを求めないんです。ただ、同じ空間で一緒に過ごし、気が付いたら日が暮れている…そろそろ夕飯の買い出し行こっか?みたいな全く意味を求めない時間をすごく幸せに感じています」

Q.同じように悩んでいる人に、どんなことを伝えたいですか。

ゆき蔵さん「『あなただけじゃないよ! 私も苦しくて、ねたんで、つらかったから! 大丈夫だよ!』と伝えたいです。その当時は、周りをねたんでしまう自分にも嫌気がさしていました。そんなときもあるし、いつかは抜け出せるので無理に明るく振る舞わず、友人から距離を置くことも必要だと思います」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

ゆき蔵さん「同じような体験をした方々から『共感した』と言ってもらえました。口には出さないだけで、同じように無神経な言葉に傷ついている人がいるんだなと痛感しました。自分が幸せの絶頂にいると周りが見えなくなって、他人を傷つけるときがあると学んだので私自身も気を付けなきゃと思いました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

ゆき蔵さん「漫画コラムを書くお仕事を頂けたので、今後はコラムニストとしても活動していきたいです」

オトナンサー編集部

漫画「女社会の話」のカット=ゆき蔵(yuki_zo_08)さん提供