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世界中で猛威をふるう新型コロナウイルスだが、このほどシンガポールショッピングモールで撮影された、床に倒れたマスク姿の女性の動画が物議を醸している。女性に声をかけるわけでもなく、その場にいた人達はただ傍観しているだけだった。『The Independent Singapore』『Shanghaiist』などが伝えている。

シンガポールにあるクレメンティモール内のフードコートで今月11日の午後2時半頃、マスクをした若い女性が気を失って床に倒れてしまった。女性は店内で買い物をした後、休むためにフードコートのテーブル席に座ろうとしたようで、倒れたのはその直前のことだったようだ。

その場に居合わせた人が女性の様子を動画に撮影しているが、そこには誰1人として女性に手を差し伸べる人はいなかった。唯一、若い男性が近づき、少し離れた場所から温度検知器のようなもので女性の体温を確認し、37度であることを撮影者に伝える様子が捉えられ、その周りでは普通に食事をする人達の姿があった。

男性は体温を測った後、女性の様子を確認するでもなくその場を離れたという。この動画はFacebookページの「All Singapore Stuff」に投稿され、「この気を失った女性を誰も助けようとしません。可哀想な女性はクレメンティモールフードコートで気を失いました。しかし誰もが普通に食事をとっていたのです」と記されている。

この動画は32万回以上も再生され、女性のことを知った人達からは次のような意見が届いた。

「これって、中国本土で撮影したものじゃないよね?」
何これ! 動画撮ってSNSに投稿する必要ってあるの? その前に助けることができたんじゃない?」
「いや、近づいちゃダメだよ。病気が何であれ救急隊が適切な処置をして救うはずだから。」
「私もその場にいたら、その女性から1.5メートル以上は離れるかも…。」

SNSでは女性を助けようとしなかった撮影者や体温を測っただけの男性に非難の声が集中したが、新型コロナウイルスの感染リスクを考慮し、女性に近づくべきではないといったコメントも多く見られた。

Mothership.SG』によると、実際には女性が倒れていた目の前にあるファストフード店「ジンジャーチキン(Jinjja Chicken)」の客が救急車を呼んでいたという。また警備員が駆けつけ、女性がマスクをしていたことから新型コロナウイルスを疑ったのか、店内にいる客に女性から離れるように指示をしていたそうだ。

ちなみに女性は救急隊が到着した時に意識を取り戻し、そのまま病院へと搬送された。女性が新型コロナウイルスに感染していたかどうかは分かっていないとのことだ。

画像は『The Independent Singapore 2020年3月18日付「Woman faints but no one helps her because of Covid-19 fears」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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