新型コロナウイルスにより、世界中で外出が制限されている。普段は観光客でにぎわう場所も今は人気がまばらだ。人間たちがあまり外出できない期間中、動物たちはどのように過ごしているのだろうか。中国の動物たちの行動にも変化が起きていると、中国メディア青島新聞網は報道している。

 国道には、ある貴重な動物がうろうろするようになっている。パンダだ。現在、野生のパンダが人間の生活圏内にある国道に降りうろうろし始めている。記事では国道わきの壁をよじ登ろうとしている写真が紹介されているが、確かにこれまで見たことのない光景だ。

 さらに、世界的に珍しい絶滅危惧種、中国でも保護レベルが第一級のイヌワシが吉林省の国家自然保護区に姿を現したと報道している。めったに見ることができないこうした野生動物の姿に、専門家も驚いているという。

 また数年前、白きつねが武漢大学校内にある珞珈山に出現したと一時期有名になったことがある。非常に珍しい狐だが、ここ数カ月の間も新型コロナウイルスの影響で学校も休校となったこともあり、再び空腹を満たすため山の麓に出現するようになっている。

 記事は他にも、世界各地の野生動物の様子を紹介している。タイではサルの群れが市街地を走り回り、イタリアではイノシシの親子や野生の馬の姿が市街地で発見されている。また、羊の群れが公道に迷い込みゆったりと草を食んでいる様子も観察されている。日本でも、奈良の鹿たちが食べ物を求めて市街地をうろついている様子が話題になっている。普段はなかなか目にすることができない動物たちが、食物を求めて公道うろついている様子は、かわいいというより不気味さを感じる。

普段は人間に押しやられ、どこか肩身の思いをしている動物たち。しかし、人間の姿が見えないこのつかの間の平和を、動物たちなりに楽しんでいるのかもしれない。(編集担当:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)

人間の隔離が始まって生じた動物たちの変化とは?=中国メディア