ここ数日で急増してきている日本の新型コロナウイルス感染者。欧米ほどではないにしても、東京都は週末の外出自粛を要請し、日本政府も今のところ緊急事態宣言を出してはいないものの、かなり緊迫した状況になっていることは確かで、ほんの少し前まで中国に大量の支援物資を送っていたのが信じられないほどだ。

 中国で感染拡大が深刻になっていたころ、日本は武漢市を始め中国に対して積極的な支援を行い、多くの中国人を感動させた。中国メディアの網易は28日、「日本はなぜそこまで武漢を支援したのか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、日本が武漢市に対して行った支援の例を紹介。個人・団体の別を問わず日本からは様々な物資が送られ、募金活動も行われたが、中でも14歳の女の子が武漢の人々のために頭を下げて募金する動画は中国で瞬く間に広がり、「こういう行動には感動させられないわけにはいかない」と振り返っている。日本以外の国からの支援もあったが、日本は「最初に立ち上がってくれた国」であり、支援物資の量も相当なもので、力の入れ方が違ったとしている。

 中国からすると、過去の戦争で日本にひどい目に遭わされたとの思いが強く、実際に反日感情も小さくないため、武漢に対する厚い支援に感動させられるのだろう。記事は、現在では日本と中国は互いに助け合う存在となっていると指摘。日本は武漢を支援したのに対し、中国も日本が災害に遭うたびに支援をしてきており、日中は経済面・文化面の交流により緊密になっていると分析している。

 中国はその強硬な政策でほぼ新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込め、感染者数は微増にとどまっているが、今では日本が感染拡大の瀬戸際にあり、マスクに余裕が出てきた中国からは逆に日本への支援が届くようになっている。中国の支援には感謝しつつ、日本での感染拡大がこれ以上深刻になって緊急事態宣言ということにならないよう願うばかりだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

新型コロナで日本はどうして武漢を積極的に支援してくれたのか=中国報道