日本中の、そして海外のファンをも驚かせ悲しませた、タレント・志村けんさんの訃報。新型コロナウイルスに感染し緊急入院、そして病状が深刻であることが報じられた3月25日以降、多くの国民そして関係者が心配し回復を願ったが、29日夜、帰らぬ人となった。

 28・29日の週末に都民の外出自粛を要請した小池百合子東京都知事は30日、東京都庁でインタビューに応じ、志村さんの死について「謹んでお悔やみを申し上げたいと存じます。志村さんといえば、本当にエンターテイナーとして、みんなに楽しみであったり、それから笑いを届けてくださったと感謝したい」と故人を偲び、続けて「最後にですね、悲しみとコロナウイルスの危険性についてですね、しっかりメッセージを皆さんに届けてくださったという、その最後の功績も大変大きいものがあると思っています」と語った。

新型コロナウイルスの恐ろしさ、感染するリスクについて、現実に自分の身に迫った危機ととらえられず、どこか“他人事”と思っていた人たちが、志村さんの死によって一気に目が覚めた、身が引き締まったという空気は確かにあります。しかし、小池都知事の志村さんを巡る発言には批判も数多く起こってしまいました」(IT系ライター)

 ネットでは「功績って言い方には違和感しかない」「都知事は人の死を何だと思ってるんだ」「志村さんは別に感染したかったわけでもないし、死を望んだわけじゃないでしょ。それを“功績”って言っちゃう神経が信じられない」「有名人の死を、都民の注意喚起に利用してると思われても仕方ない」「オリンピック延期が決まるまで、ウイルスの危機についてほとんど発信してないのに、延期が決まった途端、急にロックダウンなんて過激な表現使い出した。次は志村さんの死を利用するのか」と、都知事の発言を批判する声が続出している。

「小池都知事の発言への違和感は、ネットユーザーだけでなく国会議員からも上がっています。立憲民主党の蓮舫参院議員は、自身のツイッターに同日『今。言葉はとても大切です。知事、あまりにもです。心がなさすぎます。』と投稿していますが、やはり都知事の表現方法に疑問を持った人は少なくないようです。先週末に小池都知事が出した外出自粛要請に従わなかった若年層が多かったと問題視する声が出ていますが、そもそも都知事の言葉に“心がこもっていない”と、都民は見透かしているのかもしれません」(前出・IT系ライター)

 小池都知事には、難しい横文字を羅列した表現ではなく、都民の気持ちに寄り添った、“心の通った”言葉での発信をお願いしたいものだ。

(石見剣)

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