中国武漢市から世界に広まったとされる新型コロナウイルス。中国国内では新規感染者数が大幅に減少し、抑え込みが成功しつつあると言われているが、日本を含めた世界中では感染者が増加していて、米国やイタリアはすでに感染者数が中国を上回っている。

 日本でも感染の爆発的増加を阻止するため、不要不急の外出を控えたり、不特定多数の人々が集まる集会やイベントを中止するよう協力が求められている。中国メディアの央視網は29日、日本でオーバーシュート(爆発的患者急増)が起きれば数日で新規患者数は現在の30倍にもなり得ると指摘し、「そのとき日本は対応できるのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、3月29日には東京で季節はずれの雪が観測され、昼間も気温は前日より20℃ほど低く、しかも、不要不急の外出を自粛するよう要請されているため、東京の繁華街を歩く人の姿は非常に少なかったと紹介。一方、実際には日本では新型コロナウイルス感染者は増加していて、28日には初めて1日で200人以上の患者が全国で診断され、東京だけでも63人も増えたと紹介した。

 続けて、日本では新型コロナウイルスの大流行となってしまう瀬戸際にあるとしながらも、東京を例にすると「都が指定している新型コロナウイルス感染症患者が入院できるベッドは140床しかないのが現状」だと指摘、東京都は段階的にベッドの数を4000床へと増加させていく計画であるものの、オーバーシュートが起きれば東京だけで毎日2万人が新たに入院し、そのうち700人が重篤となる恐れがあると伝え、このままの状況では「医療崩壊が起きるのは目に見えている」と危惧した。

 日本は米国やイタリアほどではないものの、感染経路が不明な患者が増加しているのが現状で、オーバーシュートを阻止できるかの瀬戸際に立たされていると言えるだろう。患者の爆発的増加が生じないことを願うばかりだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

新型コロナのオーバーシュートが起きたら「日本は対応できるのか」=中国報道