2020年2月に発売された、Honda 新型「FIT」に、テイ・エス テックが開発したシートが採用された。

 新型FITに採用されたシートは、大幅な軽量化を実現した次世代シートフレーム(骨格)の採用や、身体をしっかりと保持する新構造など、長時間ドライブでも疲れにくく、柔らかな座り心地を実現した製品。車両タイプに合わせたバリエーション豊かな表皮素材とシートデザインは、前モデルを超える上質感を目指した。

■フロントシートの特徴
 上級セダンへの搭載も見据えて新しく開発した次世代シートフレームを採用。また、厚みを増したシートクッションや、本田技研工業と共同開発したボディースタビライジングシートのコンセプトを具現化した骨盤を支持する構造により、座りやすさ、運転しやすさ、疲れにくさを向上させている。

面支持構造を実現する 樹脂マット(黄色枠)

 今回開発した次世代シートフレームは、超ハイテン材(超高張力鋼板)の適用拡大や薄板溶接技術などの軽量化技術を活かして、強度・安全性能を維持向上させつつ、従来の主力フレーム※2と比較して28%の軽量化を達成した。世界トップレベルの軽さを実現することで、燃費向上にも寄与する。少ない仕様差で機種毎のニーズに応えられる新設計により、今後の機種開発効率向上も見込まれる。

■リアシートの特徴
 リアシートは、これまでの「FIT」の特徴の一つ、圧倒的な開放感と広々とした車室空間を活かす多彩なシートアレンジはそのままに、アレンジ機構の配置など、シートフレームを全面的に見直すことで、クッションの厚みを増やすことを可能とした(+24mm)。これにより、利便性を損なわず、座った瞬間に感じられる柔らかな座り心地を実現している。

※1 世界トップレベルの軽量化:コンパクトクラス以上のカテゴリーでの量産シートフレームにおける同社調べ
※2 幅広い機種に採用されていた当社のグロバルスタンダードシートフレーム比較