英国の医療コスプレサイト「MetFedUK」が、使い捨てできる手術着の在庫すべてを国営の「国民保健サービス(National Health Service : NHS)」に寄付したことが明らかになった。新型コロナウイルス感染が拡大しているイギリスでは、医療スタッフの防護用品がかなり不足している。そのためフェティッシュ向けの小さな会社が助けの手を差し述べたのだ。

「MetFedUK」は英時間3月27日にTwitterを更新し、手術着である“使い捨てスクラブ”の在庫を国民保健サービスに寄付したと公表した。スクラブとはVネックに半袖の手術着で、青や緑など色の種類が豊富だ。通常は在庫を大量に保管していないため、わずかな量であるがすべてを寄付したそうだ。同社のオンラインショップでは手の消毒液がすでに完売しており、マスクの在庫も残りわずかだという。

「今週、ベーシックな防護用品や防護服を集めていると、国民保健サービスの必需品調達の代表者から連絡がありました。」
「当社は、一部のマニアに向けてサービスを提供するために設立した小さな会社です。そんな我が社が、国民保健サービスの最後の命綱として求められている。これはかなり深刻な問題だと感じています。」

さらにこの状況は、過去10年にわたる国民保健サービスの慢性的な資金不足と人員削減の結果であると指摘した。通常でも対応が難しい状況だが、世界的なパンデミックに直面した時にはさらにひどくなると述べている。

「すべてが終息して、医師や看護師や全ての医療スタッフが素晴らしい仕事をなし終えたら、その時には国民保健サービスを、適切な防護服さえ不足するような状況にいとも簡単に追い込んだ原因を考えてみましょう。我々はそのことを忘れることもなければ、許すこともできないのです。」

SNSでは使い捨てスクラブの在庫全部を寄付した「MetFedUK」の寛大な行動に、多くの称賛の声があがった。

「素晴らしい行いだ。国民保健サービスに在庫を寄付しただけでなく、事実をツイートして世の中に知らせたことだ。これによって、世界の人々が予防の大切さに気付くことを望む。」
「これって馬鹿げてるよ。フェティッシュのコミュニティに反論するつもりはないけれど、フェティッシュ会社が国民保健サービスを支えるとは思いもしなかった。こんなことをしなくちゃならないなんて悲しいけれど、一歩前に出てくれたのは素晴らしい。フェティッシュを尊敬するよ!」
「ありがとう。私は看護師ですが、今も通常の医療着を着て、死に物狂いで古い箱にあるマスクを取り出してる。体液を扱うときには、プラスチックのエプロンと手袋だけを着用するようにと言われたんだから。」

画像は『MedFetUK 2018年3月15日付Instagram「The latest addition to our Protective Wear & Clothing range: Unisex V-neck Scrubs Suits.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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