いまは、感染症予防や、花粉症予防のためにも、とにかく家族の免疫力を上げたい時期です。そこで免疫力アップにおすすめの栄養を含む食品や食事メニューを、子どもが美味しく食べられるという視点で、管理栄養士に伺いました。

美容・健康・子どもメリットある「一石二鳥の食材」5選!管理栄養士に聞いた

免疫力を高めるのに必要な栄養とは?

今回、アドバイスしてくれたのは、保育園栄養士として活躍したこともある管理栄養士 中村美穂さん。自身も2児のママです。免疫力アップのためには、どんな栄養が必要なのでしょうか?

中村美穂さん(以下、中村)「免疫力を高めるためには、体に必要な栄養素をバランスよくとることが大切です。必要な栄養素とは、5大栄養素の炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル。

特に、体をつくるタンパク質、抗酸化作用があり抵抗力を高めるビタミンAビタミンC、そして腸内環境を整え免疫力を高める食物繊維もしっかりとりたいところです。

子ども向けには、子どもでも食べやすく、一つで多くの栄養素を含む食材がおすすめです。一番のおすすめは、ビタミン、ミネラルをバランスよく含み、整腸作用も期待できるタンパク質性食品です」

子どもにもおすすめ!免疫力アップの栄養素を含む食品5選

そこで中村さんに、免疫力アップの栄養素を含む食品を5つ、子どもも美味しく食べられるものを挙げていただきました。

1.納豆

中村「大豆製品全般はおすすめです。納豆、ゆで大豆、枝豆、豆腐、きな粉など。豆は食物繊維もとれるので、野菜がすすまない子にもぴったりです」

2.ヨーグルト

中村「牛乳は栄養価が高く、特にカルシウムが多い食品で、ヨーグルトになるとさらに乳酸菌による整腸作用が期待できます」

3.かぼちゃ

中村「ビタミンA(βカロテン)、ビタミンC、食物繊維が多い野菜がおすすめ。その中でも、かぼちゃは甘みがあって子どもも食べやすく、抗酸化作用があるビタミンEも多い野菜です」

4.ブロッコリー

中村「ブロッコリーは特にビタミンCが豊富です。葉酸、鉄、カルシウムもとれるので育ちざかりの子どもにぴったりです」

5.ミニトマト

中村「トマトにはビタミンCが豊富なほか、赤い色素成分のリコピンに強い抗酸化作用があり、免疫機能をつかさどる細胞を守るといわれています」

子どももパクパク食べる!5つの食品のおすすめ料理例!

5つの食品が分かったところで、これらをどう調理するかが、ママの腕のみせどころ!

子どもがパクパクと美味しく食べられるものがいいですよね。そこで中村さんに、子どもにもおすすめの料理例をそれぞれの食品について教えていただきました!

子どももパクパク!おすすめ料理例

1.「納豆オムレツ

中村「卵に、牛乳少しと塩少々を混ぜて、フライパンで半熟状に焼き、納豆を入れざっと混ぜます。刻んだ小葱やパセリをふるといいですよ。

完全食品といわれ栄養価の高い卵と納豆を合わせて、パパっと作れるので、朝ごはんにもおすすめです」

2.「フルーツヨーグルト

中村「バナナ、いちご、キウイフルーツなど食物繊維やビタミンCがとれるフルーツを食べやすく切ってヨーグルトにのせるだけ。

果物をテーブルナイフで切って、ヨーグルトにのせる調理は、子どものお手伝いにもおすすめ。

糖分をとりすぎないよう、プレーヨーグルトを使い、果物の甘みだけで食べられるとよいです。きな粉をふったり、シリアルを加えたりすれば、さらに栄養バランスが良くなります」

3.「素揚げかぼちゃ

中村「薄切りにしたかぼちゃを5ミリ深さ程の油を引いたフライパンに並べ、両面をカリっと揚げ焼きにします。軽く塩をふっていただきましょう。きなこや青のりをふると、さらに美味しくなり、栄養価もアップします。

煮物は苦手でも、カリっと焼いたかぼちゃは好きという子も多いので、子どもにも人気のメニューです。かぼちゃは火が通りやすいので作りやすいです。ビタミンAは油と一緒にとると吸収率がアップしますよ。

またかぼちゃと一緒に、薄く切って片栗粉をまぶした鶏肉や魚を一緒に揚げれば主菜にもなります」

4.「ブロッコリーシチュー

中村「鶏肉や鮭などタンパク質食品と、玉ねぎを炒め、ブロッコリーも加えてスープで煮ます。米粉(片栗粉、小麦粉でも可)を混ぜた牛乳や豆乳を混ぜ、とろみがつくまで煮て塩コショウで味をととのえます。

市販のシチュールーでもよいですが、油分が多いことが多いので、水溶き米粉でとろみをつけるとさらっと美味しくできますよ」

5.「ミニトマトとチーズのコロコロサラダ

中村「ミニトマトは半分に切り、プロセスチーズ、きゅうりを1㎝角に切ります。塩、オリーブオイルヨーグルトを和えてできあがり。

切って混ぜるだけのサラダは、子どもと一緒につくるのも楽しいです。ハムやちくわ、枝豆、パプリカなどおうちにあるものでできるのもポイント。ミニトマトは味が濃く、チーズも塩分があるので、味つけは控えめに」

いかがでしたでしょうか。

免疫力アップの栄養素や食品、料理例を紹介してもらいました。

今の時期、4月からまた元気に新生活を始めるためにも、子どもをはじめ、家族みんなの免疫力を強めることを考えて、美味しく食卓を彩りましょう。

【取材協力】管理栄養士 中村 美穂さん
保育園栄養士として乳幼児の食事作りや食育、地域子育て支援に従事した後、2009年より子どもから大人まで楽しめる料理教室「おいしい楽しい食時間」を開催。離乳食雑誌や生協カタログ、書籍等でレシピ・監修を数多く担当。2児の母。